■ボランティアはなぜみんな良い人なのか
東北に何回かボランティア活動にいっている友人から聞いた話です。
連休にボランティア活動に行った時、一緒になった人の中に会社勤めの人がいたそうです。
その人が、「どうしてボランティアは良い人ばかりなんだろう」と言うのだそうです。
友人からみると、その人もとても良い人なのでそう伝えたら、
「会社には、自分も含めて良い人なんかいない」と言われたそうです。
こんなに人間関係が気持ちよく、仕事も楽しくやれることはないというわけです。
友人も、たしかにボランティアはみんな良い人ばかりだといいます。
だから彼はボランティアに行くのが好きなのです。
それに、わずか数日だけの付き合いなのに、被災地から戻ってきてからも付き合うようになっているようです。
それも単なる付き合いではなく、お互いに支え合うような関係が生まれています。
私はこう考えています。
世の中に「悪い人」などいるはずもない。
素直に生きれば、幼い子どもたちがそうであるように、人はそもそもが良い人なのです。
悪い人などいないのです。
ところが、組織に入った途端に、素直に動けなくなるのです。
だから良い人のままではいられなくなるわけです。
そして、権威や権力、立場を振り回すようになる。
それに組織に入って仕事をするとお金をもらえますから、組織のルールを優先させなければいけません。
困った人がやってきても、商品を無料で上げてしまうわけにはいかないのです。
ところがボランティア活動は、誰からもお金をもらいませんから、素直な自分の判断で行動できます。
だからみんな本来の「良い人」になれるわけです。
そう考えるとボランティアがみんな良い人なのは当然なのです。
良い人がボランティアに行くのではありません。
ボランティアだから良い人になれるのです。
もしかしたら組織に戻ったら人が変わってしまっているかもしれません。
そして疲労してしまい、メンタルダウンしていくわけです。
つまらないことを書いているように思われるかもしれませんが、これからの私たちの生き方を考える上での大きなヒントがここにあります。
みんな「組織の呪縛」から抜け出れば、良い人に戻れるのです。
東電の人も本当はみんな良い人なのです。
もちろん「あなた」も良い人です。
万一疑いがあれば、被災地にボランティアに行ってみてください。
すぐに確信できます。
大震災は多くの人の心を救ってくれているのかもしれません。
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