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2011/05/19

■ハーバードの正義論への失望と日本生まれの正義論サロンのお誘い

日曜日(2011年5月15日)にNHKBSで「ハーバードからのメッセージ 世界は震災から何を学べるか」というシンポジウムの記録を見ました。
シンポジウムが行われたのは4月22日です。
基調講演はサンデル教授でしたが、白熱教室的に学生とのやりとりもありました。
つづいて緊急医療、原子力、都市防災の研究者が講演しました。
期待してみたのですが、正直、失望しました。
もっと本音で言えば、サンデルやハーバードの本質を見た感じです。
コメントする気にもなれないほど、私には内容のない話ばかりでした。

昨日、東北応援をテーマにしたサロンをやったのですが、石巻市にボランティア活動で行っていた宮部さんから少しだけ現地での体験などを話してもらいました。
2時間近いハーバードのシンポジウムよりも、私には刺激的な20分でした。

サンデルは、こう問いかけました。
「この震災は、私たちを変えるのか」
私は、そもそもこの問題の立て方に違和感があります。
私なら、「この震災で、私たちはどう変わるべきか」です。
つまりサンデルの意識には主体性が感じられません。
白熱教室を聴いていて、いつも不満に思っていたことです。
観察的な議論は、20世紀の知ではないのかと思います。
啓蒙の時代は終わっています。

サンデルは、アダム・スミスの、遠くの人の不幸への共感は実践につながらないという指摘を紹介し、ユーチューブなどによって情報を継続的に共有できる現代では、それを変えられるのではないかと示唆します。
しかし、それに関しても、「今回の一連の出来事の意味についての対話」しなければいけないというだけで、何が当時と違うのかについての言及はありません。
地震前から取り組んでいたというグローバル教室の紹介もするのですが、私にはことさら新しい試みには思えませんでした。
つまり、スミスとどこが違うのか、私にはわかりませんでした。

ある学生が「ハイチやスマトラ沖の地震との違いは何か」と鋭い質問をしましたが、それに対するサンデルの回答はよくわかりませんでした。
要はあんまり考えていないのでしょう。

昨日の湯島のサロンでも、今回の震災で私たちの生き方が変わるのかというような話も出ました。
間違いなく変わるでしょうが、問題はどう変わるかです。
それを決めるのは、研究者や統治者ではありません。
私たち一人ひとりの生き方です。
震災が私たちを変えるのではなく、私たちが変わるのを応援してくれるのではないかと、私は思っています。
変わってもいいのです。
そろそろ生き方を変えてもいい時期なのです。

とまあ、こんな議論をサロンでしたいなと思っていますが、その前にまずは「日本生まれの正義論」サロンを開催することにしました。
5月29日1時半から湯島です。
案内はホームページに掲載しました。関心を持ってもらえたら、ご参加ください。

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