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2011/05/01

■地方議員の役割

私は現在のような状況では、地方議会の議員は職業化すべきではなく、ボランタリーな意識に基づく市民活動にすべきではないかと思っていました。
もし職業化するのであれば、行政で何が行われているかを住民にしっかりと伝えるとともに、住民の生活や考えを行政にしっかりと反映させる役割にすべきではないかと思っていました。
しかし、残念ながら実際の地方議員は、あまり住民を見ていないような気がします。

しかし、一昨日、酒田市の佐藤丈晴さんという市議会議員の行動を聞かせてもらって、少し考えに変化がありました。
佐藤丈晴さんは、2009年に結成された全国災害ボランティア議員連盟のメンバーです。
この組織は、国・都道府県・市町村の災害ボランティア活動や防災に関心のある議員が、防災や減災、復興支援に関する調査研究を行い、それぞれの議会での活動に役立て、地域防災力の向上に資すことを目指して結成されたそうです。
佐藤丈晴さんは、今回の大震災の後、原発事故の陰になって救援が遅れがちだった福島県の被災地の支援に取り組んでいます。
フェイスブックで、その動きがわかるのですが、実に勢力的に、実践的に活動しています。

佐藤丈晴さんと知り合ったのは1年ほど前です。
私が取り組んでいるコムケア活動の「事業仕上げフォーラム」に参加してくださったのです。
そして一昨日の、東北応援コムケアサロンにも、わざわざ酒田市から参加してくれました。
佐藤丈晴さんといろいろとお話ししていて、市議会議員は自治体の横をつなぎながら、社会全体に大きな影響を与える役割が果たせるのだということに気づいたのです。
私はいままで議員が現場を見ずに、行政や上位の自治体、さらには国家の議員をみていることに批判的でした。
せめて市長をトップにした自治体政府と住民をつなぐ役割をしてほしいと思っていたのですが、そうした垂直軸ではなく、水平軸にこそ、地方議員の役割があるのかもしれないと思ったのです。
ネグリのマルチチュードを生かす役割と言えるかもしれません。
まさにこれから求められているのが、水平軸のネットワークです。

そうした視点で考えなおしてみると、新しい展望が開けそうです。
佐藤丈晴さんは、一昨日の集まりで、「誰が、ではなく、何を、が大切だ」と話していました。
とても共感できます。
マルチチュードのガバナンスのヒントが、そこにあるのかもしれません。

日本にも、まともな地方議員はいるのです。
我孫子市で付き合っている限り、そういう展望は持てませんでしたが、佐藤丈晴さんに会えて、これまでの先入観の呪縛を解くことができました。
我孫子の市議会議員には、どうしてこういう人がいないのでしょうか。
たぶん私も含めて我孫子市民の民度が低いのでしょう。
反省しなければいけません。

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