■報道は政府の愛玩犬になってしまった
ダニエル・エルズバーグさんが、今朝の朝日新聞に「堕落した報道、政府の愛玩犬」と語っています。
エルズバーグさんは、いうまでもなく、米国防総省のベトナム戦争秘密文書(ペンタゴン白書)を内部告発した人です。
エルズバーグの「ベトナム戦争報告」(1973年)を読んだ時はショックでした。
国家への不信感が確信に変わったのも、この頃からです。
久しぶりにエルズバーグの名前に出会い、そのメッセージを読みました。
彼はこう語っています。
今の米メディアは、政権批判をためらい、まるで政府の言いなりの「ラップドツグ」(愛玩犬)だ。70年代に見せた勇敢さはなく、「赤狩り」があった冷戦期の50年代に逆戻りしてしまったかのようだ。主な要因は9・11の米同時多発テロだ。米メディアは9・11以降、非国民や裏切り者と呼ばれることを恐れるようになった。その結果、イラク戦争で大量破壊兵器が存在するとウソをついた政府に操られた。最近の日本のマスコミもまた、「ラップドツグ」(愛玩犬)になっています。
飼いならされるとは、こういうことなのでしょう。
わが家のチビタは、時に私にも牙を見せて怒りますので、性格の悪い犬だと思っていましたが、性格が悪いのは怒らせる私のほうが悪いのでしょう。
飼い主まで咬んでくるチビタをほめてやらねばいけません。
それはともかく、私が気になっているのは、3.11以降の日本のメディアの動きです。
どこか「気持ちが悪い」のです。
それに加担しているのが、市民活動やNPOのような気もしてなりません。
具体的に何がとはいえないのですが、心身が拒否反応を時々示します。
自然エネルギーへの転換というウソにだまされなければいいのですが。
同じ紙面で、米国のジャーナリストが、政府は「うそ」をつくものだと語っています。
どれほどの嘘を体験すれば、みんなそれに気づくのでしょうか。
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