■収奪の経済
あれだけ大きく動いていたリビアの状況は膠着状況のようです。
中東革命は東欧革命のようにはいかないようです。
アメリカ映画だと、CIAか何かが出てきて、事態を一変させますが、人を殺すことさえも「ミッション」としているおぞましいオバマ政権でもそれほど簡単ではないようです。
たぶんまだ「利害の一致」が十分ではないからなのでしょう。
利害の一致がなければ、主体性のない政権は動けません。
それにしても国際政治や国際経済は不思議な世界です。
この数日、円高が進展していますが、原発事故によって暗雲たちこめる日本の円が、どうして高くなり続けるのでしょうか。
先日、お会いした金融関係の人は、欧米よりもまだましだからと説明してくれましたが、そんな建前の説明は別にして、なにかの「意図」が存在するような気がします。
その意図は、あるとしたら「日本つぶし」のように思います。
この20年、日本はこれでもかこれでもかとつぶされてきました。
そのお先棒を担いだ政治家や経済人が、いまなお「人気者」なのが私には不可解ですが、その流れは一向に変わっていません。
日本のマスメディア報道は国内の原発事故で覆われてしまっています。
その向こうで、世界は様々な展開をしています。
いや国内でも、様々な動きが進んでいます。
それを危惧するネット情報も少なくありません。
たしかに原発事故報道は大事ですし、東北被災地の報道も大切です。
しかしあまりにそれが報道を覆いつくしているような気がしてなりません。
そこにも、「ある意図」の存在を感じます。
もちろんその意図もまた「日本つぶし」です。
いいかえれば、日本を「市場」にして、そこからいかに多くを収奪するかです。
収奪の経済は、まだ終わってはいません。
様々な不可解な動きの後ろにある「意図」は、「収奪者の意図」かもしれません。
社会を「市場」と捉えて、そこから「いかに多くを収穫するか」というような経済から脱却しない限り、持続可能な社会は実現しません。
「収奪者」が考えているような「持続可能な市場」幻想は捨てなければいけません、
誰にとっての何を「持続可能」にしたいのかを、よく考えないといけません。
リビアの状況と私たちの暮らしとは、決して無縁ではないでしょう。
| 固定リンク
「経済時評」カテゴリの記事
- ■政治とお金の問題の立て方(2024.02.02)
- ■デヴィッド・ハーヴェイの『反資本主義』をお薦めします(2024.01.18)
- ■一条真也さんの「資本主義の次に来る世界」紹介(2023.12.14)
- ■資本主義社会の次の社会(2023.10.10)
- ■「資本主義の次に来る世界」(2023.07.24)
コメント