■節子への挽歌1441:お盆で節子が帰省しました
節子が帰省しました。
と、これがまたややこしいのです。
一応、今日は彼岸の入りなので、お墓に節子を迎えに行きました。
この日のお寺はいつもと違って、大賑わいです。
娘から誰もいないとお経の声が大きいのに人がいると声が小さいと笑われていますので、今日は大きな声で般若心経をあげました。
わが家の迎え火は、提灯ではないのです。
わが家らしく、ガラス製のキャンドルケースなのです。
最近は伝統的な提灯がいいと、私は思い出していますが、何しろわが家の仏壇からしてそうなのですが、節子は仏事に関しては、明るさを求めていました。
節子はどちらを好むでしょうか。
それはそれとして、無事、お寺からロウソクの火を自宅までもってきて、庭で迎え火です。
そしてお盆のために用意した精霊棚用のロウソクに火を移しました。
そして、そこの節子の位牌に向かって、
「節子が帰ってきたよ」
と報告したわけです。
口に出して、ようやくおかしいと気づきました。
節子はどこにいるのか。わが家の位牌壇なのかお墓なのか。
まあこれは毎年この日になると思い出す「ややこしい話」なのですが。
この期間はわが家の仏壇は、大日如来を入れたまま扉が閉ざされます。
年に1回の大日如来のお休み期間です。
節子が独占している精霊棚には、あまり食事は供えられません。
別に主義があるわけではなく、単に手を抜いているだけですが、合理主義者の節子はたぶん賛成しているでしょう。
その代わり、花はたくさん供えられています。
お供えする花は仏花ではなく、節子好みの明るい花です。
今年もまたユリを中心に供えさせてもらいました。
お隣の宮川さんも毎年、おしゃれなフラワーアレンジメントを届けてくださいますが、節子の好みを知っているのか、今年は明るいピンクを基調にしたものでした。
お盆から9月はじめの命日まで、わが家はまた花で賑わいますが、こう暑いと花の元気を維持するのが大変です。
わが家は転居したため、お寺さんはあまり来ません。
今年も忙しいようで、今日はお見えになりませんでした。
それで私が棚経として般若心経をあげました。
きっと節子は感激していることでしょう。
ところで、わが家のチビ太が夕方から興奮して吠え止みません。
帰ってきた節子を感じているのでしょうか。
節子の精霊棚とチビ太のベッドはすぐ近くなのです。
今夜は節子も眠れないかもしれません。
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