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2011/08/22

■円高で海外企業を買収する事の意味

円高が止まりません。
たしかにドルを支えるアメリカの経済状況を見れば、基軸通貨のドルがきわめて危うくなっているのは明らかです。
オバマ政権は、この事態を収束させられないでしょうから、円高はさらに進むかもしれません。
グローバル化の終焉は、大きな危機をもたらしました。
小泉政権がやってきたことを、しっかりと見直すべき時期に来ています。
しかし、日本では相変わらず方向を転じていないように思います。

その一つとして、円高のなかで、海外の企業の買収が増えています。
経済行為としては合理的なのでしょうが、私たちの生活にとってどういう意味があるのか、よくわかりません。
その行為で、誰が幸せになり誰が迷惑を受けるのか。
円高を活かして海外旅行したり、海外の商品を購入したりする動きは、メリットを享受する人が明確です。
円を使って生活している旅行者や購入者です。
海外旅行を斡旋している会社もメリットがあるかもしれません。

海外の企業を買収した場合はどうでしょうか。
買収した企業は利益を得るでしょう。
安い買物といえるでしょうから。
しかし、それで何が失われるでしょうか。

資本や企業が国境を越えて自由に行動するのが、経済のグローバル化です。
それによって、資本や企業は利益を得る選択肢が拡大します。
しかし、それは同時に、「国家」の意味を希薄化させることでもあります。
前にも書きましたが、グローバルな企業で活動するためには、国籍を捨てなければならないというようなことが、企業の人事部長から語られるように、グローバル化とは国家を超えることでもあります。
つまり、グローバル経済のもとでは、資本や企業の判断基準は、自らの利益だけです。
かつてとは違います。

企業はいまや、売買の対象です。
その発想を一歩進めれば、国家もまた売買の対象になりえます。
いいかえれば、市場主義の視点からいえば、国家の存在意義はそこにしかないともいえます。
資本や企業は、この20年でまったく変質してしまったとしか思えません。
円高が続けば、電力料金が高くなれば、海外に移転せざるを得ないなどという経済人には、生活というものがわかっていないとしか思えません。

「日本政府は、国民の利益のためではなく、企業や投資家の利益のためにグローバル化を推進する組織に成り果てた」と、経済学者の中野剛志さんは嘆いていますが、小泉政権以来の日本政府はそういわれてもしかたがありません。
もちろん今の民主党政権も、です。
小沢一郎さんは少し違うと思いますが。

得々として、海外企業の買収を発表する経営者には驚きます。
何のために企業なのか、原点に返って出直して欲しいものです。

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