■節子への挽歌1485:節子は追い返すでしょうか
節子
節子が元気だった頃は一緒に見ていたNHKの朝の連続ドラマ小説をいまも見ています。
いまは「おひさま」というドラマです。
主人公の母親は彼女の小さな時に病気で亡くなり、その後、父親が一人で3人の子どもを育てるという設定です。
父親を演じているのは寺脇康文さんですが、間違いなく節子が惚れこむような男性です。
私とはだいぶ違います。
その人が映画館で倒れて生死の境をさまようのがこの数日の話です。
滅多に映画を観ないその人が毎日映画館に通ったのは理由があります。
その映画に妻に似た女性が出てくるからなのです。
募った思いがある時に、思わぬ形ででてくることはよくわかります。
今日は生死の境目から生還する話でした。
うなされて妻の名前を呼びます。
子どもたちは、お母さん、お父さんを連れていかないでと叫びます。
意識を回復した父親は言います。
お母さんに会ったけれど、追い返されたよ、と。
節子ならどうしたでしょうか。
そして私ならどうしたか。
悩ましい問題です。
節子は間違いなく追い返すでしょう。
私は、判断に悩みます。
しかし、いつか必ず彼岸で会えると思えば、急ぐことはないかもしれません。
それに節子の意に反して無理やり彼岸に移った後で追い返されたらもう行き場がありません。
まあここは私も素直に追い返されましょう。
しかし、一度でいいから、節子を抱きしめたいとは思います。
節子がいないのに、こうして朝のドラマを見続けているのも考えてみると不思議です。
見る意味などないはずなのに。
テレビだけではありません。
節子がいなくなった今も、基本的には生活のスタイルはあまり変わっていないのです。
不思議です。
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