■税率を上げる増税と税収入を上げる増税は別物です
増税論議がかなり具体的になってきました。
しかし、どう考えても私には理解できません。
「増税」とは何でしょうか。
その理解が不十分のように思えるのです。
念のために辞書を調べてみました。
増税とは「税率・税額をあげること」とあります。
しかし日本での増税論議はいつも「税率をあげる」ことになっています。
いうまでもなく、それは手段です。
大切なのは税収入を増やすことでしょう。
税率アップはそのための一つの手段です。
しかし税率を上げれば税収入があがるわけではありません。
それに、たばこ税を上げることに関して、小宮山議員が言っていたように税率を上げるのは、必ずしも税収入を上げるためだけに行われるとは限りません。
消費を抑える効果もあります。
日本は、目的と手段の構造があまり議論されません。
行政では縦割り行政が、経済界では金銭至上主義が、そうした文化を育ててきたように思います。
そしてNPOの世界もまた、そのいずれもの文化を継承しています。
税率を上げて経済が縮小することもあります。
江戸時代の悪代官がよくやったことですが、今の野田首相も同じ発想のように思います。
そういえば彼は悪代官に風貌が似ています。
性根は顔に出るものです。
いや、これは悪い冗談でした。撤回。口は禍の元です。
生活の現場や実体経済に立脚した増税論には賛成ですが、金融工学的な発想での現場を無視した増税論には反対です。
東電が原発事故の被災者への補償受付を始めました。
これが今の政府の基本姿勢だとしたら、現場などは完全に不在です。
快適なオフィスで立案し、問題が起きたら悪徳大寒やその岡っ引きに処理させる発想です。
これでまた「補償支援ビジネス」がはびこります。
エコポイントのときと同じです。
悪徳代官気質は、なかなか抜けないものです。
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