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2011/10/21

■節子への挽歌1510:元気になられてよかったとまだ言われます

茨城の高須さんのお母さんから新米が送られてきました。
いつもは息子さんのほうにお礼の電話をするのですが、今日はなんとなくお母さんのほうに電話をしました。
私と同世代ですが、私よりも前に伴侶を見送っています。

お元気そうな声でしたが、もっと驚いたのは、お元気になられたのですね、という言葉でした。
それで気づいたのですが、私が電話するのは、もしかしたら初めてかもしれません。
節子がいた頃は、節子が電話していましたし、節子がいなくなってからは電話した記憶がありません。
そして息子さんから、私がどんな状況になっていたか聞いていたのかもしれません。
しばらくはダメでしたが、最近は元気に仕事もしていますと言ったら、弾むような声で、私もそうだったからわかりますよ、でも元気になられてよかった、と繰り返し言ってくれました。
気にしてくれていたのが伝わってきました。
もっと早くに電話すればよかったです。

高須のご両親もとても仲のよい夫婦でした。
ご夫婦で農業に取り組んでいましたが、信頼しあっている関係がよくわかりました。
おそらく私たちと同じ世代での別れだったと思います。
私たちは葬儀に行ったはずですが、あまり記憶がありません。
なんとなく奥さんにお悔やみを言った記憶だけはあるのですが、告別式にいけなかったのでしょうか。
そうした不義理の多さに、最近は過去を思い出すのがおそろしいです。

高須さんとは不思議な縁で、仲人をさせてもらったのが始まりでした。
高須さんは、友人と一緒に私のオフィスにやってきました。
その友人の人生相談に、私が少しだけ乗ったのです。
私にはいずれも初対面でした。
その時は高須さんとはあまり話すこともなく、彼は友人と私の話し合いを横で聴いていたくらいです。
ところがそれからしばらくして、高須さんから電話がありました。
仲人を頼みたいというのです。
一度しか会っていないので、返事に窮しましたが、どうしてもと言うので、ともかく会うことにしました。
そして気づいてみたら仲人を約束していたのです。
これも「縁」のひとつです。
縁の始まりは、いつも不思議です。

節子が元気だったら、高須さんのお母さんとは仲良しになったかもしれません。
高須さんに限らず、そう思うことがしばしばあります。
どう考えても、神様は順番を間違えました。
神様に会ったら、思い切り苦情を言うつもりです。

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