■年金問題の再浮上
最近、あまり話題にならなかった年金問題がまた浮上してきました。
支給開始時期をさらに先延ばしする案も厚労省から出てきました。
年金基金に寄生するゾンビ官僚はまだ健在のようです。
小沢裁判よりも厚労省官僚裁判をしてほしいです。
金額の桁が全く違います。おそらく兆円単位の犯罪でしょう。
それに新しい年金の構造はいつになっても見えてきません。
こうした厚労省案に対するテレビなどでの識者の議論を聞いていても、年金基金寄生族と発想はそう違わないように思います。
つまりはこれまでの経済の枠組みで考えていますから、雇用と年金の関係がどうのとか、成長戦略が必要だとか、老後も雇用労働する仕組みをつくれるのか、とかいうことが話題になります。
そういう発想が、年金を破綻させ、経済を破綻させたのではないかと思いますが。
私はベーシックインカムのような新しい仕組みや雇用されずとも生きられる選択肢を広げる経済(戦前までの日本はそうでした)への転換といった、広い視野で考えなければこの問題は解決しないように思います。
人口構造と経済の成長段階が大きく変わったのですから、従前の発想での仕組みは維持できるとは思えません。
昨今の生活費の多くは、都市部の場合は住宅費です。
住宅問題を根本から見直す必要もあります。
空き家が多くなっている住宅を開放して、1家族1住宅を無償で提供することはできないものでしょうか。
30年くらいかければ、そうしたことも可能だと思います。
住まいさえ確保できれば、200万人を超えた生活保護世帯も大幅に減少するでしょう。
もちろんベーシックインカムを導入すればゼロになります。
私は幸いに住居は自分のもので、ローンも残っていないので、住宅費はそうかかりません。
そのおかげで、年金以外の収入はほとんどありませんが、生活は豊かです。
経済的には豊かではないかもしれませんが(時々現金が不足します)、他者からお金をもらわないと豊かな暮らしができます。
豊かさとは何かの定義の問題でもありますが、私とは桁が違う高給を得ている人でも、豊かでない人はたくさんいるように思います。
自然に囲まれた農漁村地域はどうでしょうか。
都市部ほどにはお金がなくても豊かに暮らせるでしょう。
まだ日本には完全にお金に汚染され尽くされていない地域は残っています。
年金をお金だけで解決しようなどという発想を捨てないといけません。
大切なのは雇用労働から見捨てられた時にも、豊かに暮らせることなのであって、年金支給時期や支給額は、そのための手段でしかありません。
老後もお金漬けの暮らしをしたいなどと思わせるような政策には賛成しかねます。
しかし多くの、と言うよりも、ほとんどの国民はすでにお金の奴隷になっていますから、年金にすがりつくわけです。
こうした金銭中心の経済や生き方から抜け出る必要があります。
人はパンだけで生きているわけではありません。
パンがなければケーキを食べればいい、とマリー・アントワネットは言ったそうですが、彼女の発想にも真実が含まれています。
ちなみにTPPの議論にも全く同じ発想を感じます。
金銭中心主義の経済発想の世界の恩恵を受けている人たちの議論はみんなワンパターンです。
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