■TPPってなんでしょうか
久しぶりにテレビの新報道2001を見ました。
いまの神奈川県知事の黒岩さんがやっていた時は面白かったのですが、最近は完全に政府御用報道になっていますので、見るのをやめていました。
久しぶりに見たら、亀井さんが出ていました。
この人も、私にはかなりまともな政治家に見えます。
今日はめずしく髪の毛がきちんとしていました。
TPP議論がありました。
コメンテーターたちはみんな立ち位置が「工業」あるいは「金融資本主義」にありますから、相変わらず自由化しないといけないと言っています。
工業は自由化できるかもしれませんが、生活や文化、自然に立脚した農漁業は、自由化といってもそう簡単ではありません。
その意味合いはまったく違うはずです。
亀井さんが日本総研の高橋理事長に、あんたはTPPの具体的な内容を知っているのか、と言うような質問を発していました。
高橋さんは答えられませんでした。
その前に、亀井さんが二国間協定の話をしだしたら、高橋さんはTPPは多国間です、と口を挟みました。
もちろん亀井さんはそんなことはご存知で、多国間ではなく二国間を基本にすべきだと説明しだしたところだったのですが、高橋さんの人を見下した態度が見事に出ていました。
無知の人ほど、人を見下すものです。
高橋さんはあまり広い知識をお持ちではないようにいつも思いますが、自覚はないでしょう。
「専門家とはすぐれた専門領域の知識をもっている人のことだと思っている人たちがいたとしたら、その人々はよほどおめでたい人間たちである。そうではなく専門家とは、専門領域でしかものを考えられない人のことである」と言い切ったのは、内山節さんですが(「文明の災禍」)、せめて専門領域の知識や判断力くらいはもう少し磨いてほしいものです。
話がまたずれだしました。
自由化の話です。
TPPは単に工業製品の貿易の条件設定の話ではありません。
文化に関わる話です。
数年前に金融ビッグバンが始まってから、何が起きたかを思い出さなければいけません。
あれは金融制度の話ではなく、間違いなく文化の話だったのです。
同じ間違いを繰り返してはいけません。
参加ではなく話し合いに参加だからいいではないかと多くの国民は思っています。
イソップ物語に、きこりがやってきて、森の木に、ナタの柄がないので、枝を1本分けてもらえないかと頼みました。
枝の1本くらいいいだろうと森の木はその願いをかなえました。
きこりは、その枝でナタを完成させ、すべての木を切ってしまったのです。
あまり適切なたとえではないかもしれませんが、交渉に入ること自体が、参加の第一歩なのです。
TPPの根底にある理念は、これまでの経済パラダイムの延長なのです。
そこから抜け出ようとしている時に、TPP議論とはとんでもないと私は思っています。
もし取り組むのであれば、現場も知らず、「専門領域でしかものを考えられない人」たちだけではなく、実際に生活している現場の人たちを中心にして議論すべきです。
ニューヨークに端を発したデモは欧州にも広がっています。
やはり新報道2001は御用番組でした。
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