■オリンパスショックとOlympusgrassroots.com
オリンパスの事件はいろいろと考えさせられました。
最初、社長解任のニュースを聞いた時、私の頭に浮かんだ最初の思いは、日本の経営を壊す外国人経営者が解任されたということでした。
日本の企業経営のよさが、グローバリゼーションという流れの中で、次々と壊されている昨今の風潮には怒りさえ感じていましたから。
しかしその内容を知るにつけて、逆におかしいのはオリンパスの旧経営陣ではないかと思い出しました。
そして実態が明らかになるにつれて唖然としました。
まさかのまさかですが、その一方で、これはオリンパスだけの話なのだろうかと思い出しました。
1980年代、私がまだ会社にいた頃、財テクブームが広がりだしました。
その時の悪魔が、まだまだ企業には住み着いているようです。
現在の社長は自分は知らなかったと言っていますが、知ろうとしなかっただけでしょう。
人は都合のいいことしか見ないものですから。
11月12日に、一つのサイトが立ち上がりました。
Olympusgrassroots.com。「オリンパスの再生に向けて社員が立ち上がるサイト」と説明されています。
立ち上げたのは、同社の元専務、宮田さんです。
トップページにはこう書かれています。
オリンパス従業員の皆さん、宮田さんにも責任がなかったとは思いませんが、宮田さんもその事は自覚しているようです。
愛するオリンパスが消滅するかもしれない、このような状況をこのまま何もせず座視することに耐えられなくなりました。社外にいるからこそ見えてくるオリンパスの危機の深さ、深刻さをできるだけ正確に理解し、それをチャンスに変えるための方策を自分なりに考えてみました。それを皆さんと共有し、今こそ立ち上がろう、と呼びかけたいと思います。
そして宮田さんは、だからこそ行動を起こしたのです。
言い訳ではなく、行動を起こした。
しかも広く社会に向けてであり、オリンパスの従業員に向けてです。
私が興味を持ったのは、こうした動きが出てきたことです。
その気になったら、当事者としてでも、一人の個人としてできることはたくさんあるのです。
論評よりもまずは行動です。
この話を一昨日、企業の経営幹部のみなさんの集まりで紹介させてもらいました。
企業も社会も、それを構成しているのは私たち一人ひとりです。
一人が動くことで始まることもたくさんあります。
最近の企業がおかしいのは、そこにいる社員の問題です。
立場によってできることはいろいろと違うでしょう。
しかしできることは決して少なくありません。
思ったら行動しましょう。
それは社会のためではありません。
自分が気持ちよく暮らせる社会にしていくためにです。
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