■コピ・ルアク
私はお金の世界からかなり自由であるという自負があったのですが、そんな地震が吹っ飛んでしまうことが起きました。
先日、ある人がインドネシアの珈琲を持ってきてくれました。
ところがエスプレッソ用の粉のようにとても細かく挽いてあるものでした。
香りもそう香ばしく感じませんでした。
インドネシアの珈琲があるんだけど飲んでみると言っても、誰も関心を示しませんでしたので、結局、ほかの珈琲とのブレンドで飲んでしまいました。
ところがほぼなくなった段階で、その説明書を見つけた娘が、これは有名なジャコウネコの糞からとった珈琲だと教えてくれたのです。
コピ・ルアクというのだそうです。
たしかに豪華な容器に「Kopi Luwak」と書いてあります。
しかもその上に、Authentic とまで書いてありました。
贋物も横行しているのだそうです。
ウィキペディアで調べました。
コピ・ルアクはジャコウネコの糞から採られる未消化のコーヒー豆で、産出量が少なく、高価である、と書いてあります。
「ルアク」はマレージャコウネコの現地での呼び名だそうです。
お店によっては一杯8000円もするそうです。
そういえば、もって来てくれた人は某社の副社長で、インドネシアの関係会社の社長からのお土産だったそうです。
安い珈琲であるはずがありません。
私はそういう常識が普通は作動しないのです。
無知とは恐ろしいものです。
ありがたみが全くわからずに、安い珈琲にブレンドして飲んでしまったわけです。
7月から8月にかけて、湯島に来た人は飲んでいるかもしれません。
冷蔵庫を見たらまだ少し残っていました。
ほんの2杯分くらいです。
それまではなんでもない珈琲がなにやら輝いて見えてきました。
高価だとわかっただけで、価値あるものに見えてきてしまったわけです。
結局、私の価値観もお金につながっていたことが露呈してしまいました。
反省、いや、恥じなければいけません。
ところで、残った2杯分のコピ・ルアクをどうするか。
1杯は私が飲むことにしました。
もう1杯はどうするか。
入札制度で高いお金を負担した人にというのがいいかなと一瞬思ったのですが、それではあまりにも情けないので、これまでに一番美味しい珈琲を湯島にもって来てくれた人がいいかなと思い、まあそれも似たようなことだなと思い、いま悩んでいます。
さて名案はあるでしょうか。
私が2杯とも飲むのが正解なような気がしだしました。
しかし高価なものを飲食するのは、私の好みではありません。
となると、これはもう誰にも飲まさずに、やはり普通の珈琲にブレンドしてしまうのがいいかもしれません。
ちなみに、いまはイタリアのお土産の珈琲豆が湯島にあります。
此れも苦くてそれだけでは私の好みではありません。
それで挽いたものはいつものように、ブレンドしてしまいました。
しかしこれももしかしたら高価なのかもしれません。
使いにくくなりました。
貧しい人がたまに高価なものを手に入れると人生が狂うことがよくわかります。
私もその例外ではないようです。
宝くじが当たったら間違いなく不幸になるタイプのようです。
さてさて困ったものです。
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