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2011/11/24

■システムと人間の対立

挽歌編で書きましたが、先週、思い出して、改めて「懐かしい未来」を読み直しました。
日本ではしばらく絶版になっていましたが、今年のはじめに復刊されたのです。
2009年版の「幸せの経済学」というあとがきも追加されていました。
ますます説得力が高まっています。
それなのに、どうして時代の流れは、そちらに向かないのか、不思議です。
本編も私としてはめずらしくていねいに読み直しましたが、そこですでに自由貿易批判が行われていました。
TPP論者に読ませたいですが、呼んでも理解はできないでしょう。

改めて本書を読んで、「システムと人間の対立」という基本構造を再認識しました。
今日の時評は、共感した文章の引用です。

著者のヘレンさんは、こう書いています。

ラダックでの経験は、私たちの危機の第一の原因は、人間の本性でもなければ進化でもなく、この地球と人びとの双方を圧倒しながら執拗に拡張し続ける経済システムなのだ、ということを確信させてくれた。不幸なことに、このシステムはあまりにも大きく成長してしまったので、元々は人間が生み出したものと認識することが困難になってきており、逆らいようのない進化の力であるかのように捉えられがちなのだ。
チャールズ・ライクが「システムという名の支配者」で警告していた話と同じです。
ヘレンさんは、さらに続けます。
政策決定者たちは自分たちが自然で人間的なコミュニティにダメージを与えていることに無自覚である。私たちが直面しているのは、悪意のある陰謀ではなく、構造的な陰謀なのだ。換言すれば、絡み合うさまざまな構造が、生命そのものを脅かす開発の道筋を進めることによって、システム的に「陰謀を企てている」のである。
そのシステムは、人間的な見地からは根本的に不合理で、命そのものの関係性のつながりを圧倒し、破壊しかねない脅威である。まさにこれらの経済活動が、この地球上のいたるところで現実の生物の「成長」を危機に陥れているときに、現代の経済活動に関連して「成長」という用語が使われるというのは、まさに苦い皮肉といえるだろう。
私の退屈なコメントを付け足す必要はまったくありません。
「懐かしい未来」は、NPO法人懐かしい未来から復刊されていますので、ぜひお読み下さい。
ここからもアマゾンを通じて購入できます。


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