■「平和の碑」の少女像
旧日本軍の元従軍慰安婦の支援団体が、ソウルの日本大使館前に慰安婦問題を象徴する少女像を設置したというニュースが1週間ほど前に流れました。
この像は「平和の碑」と名付けられていますが、この建立に対しては、日本政府は「国際的な儀礼に反する」として、支援団体が建立を思いとどまるように韓国政府に働きかけてきていました。
それが実現したのです。
韓国にいる佐々木さんが、その写真を送ってきてくれました。
ホームページ(CWSコモンズ)のほうには記事と合わせて掲載しましたが、ここにも再録しておきます。
写真と一緒に佐々木さんはこう書いてきました。
今朝は零下10度。肌を刺し、身を切る寒さでした。
朝のミホの散歩に、曹渓寺への参拝と多分日本でも問題になっているだろう日本大使館前の平和の碑を見てきました。
少女の優しい表情です。大使館の道路を挟んだ歩道に建てられました。
寒いからでしょう、毛糸のひざ掛けやマフラーはカーデガンが着せ掛けてありました。
(中略)
この少女の像を見て、胸が痛むから除去してほしいというなら、まだ良心が残っているとも思えますが、そのようなことで要求しているとも思えません。
せめて寒いからとマフラーをかけるのが大使の外交官としての仕事で、食糧費を使って呑み喰い接待ばかりするのが仕事とは思えませんが。
佐々木さんが、またメールを送ってきました。佐々木さんは、こう書いてきました。
少女像は、新聞を読まれ、どの程度の大きさで、どんな場所に建てられていると感じられますか。日本の新聞記事は佐々木さんを落胆させてしまったようです。
ノーダ首相自らその撤去を要請したようですが、そのようなものではないように思いますが、いくつかの社説や記事を読みましたが、実際に見てもいないのに書いているように思えます。駐在員がいるのに、彼らも見に行ってもいないのかもしれません。
行っているとしたら、彼らが意見を述べる前に、想像だけで書いてしまうのでしょうか?
むろん記者クラブで、行政職員の発表だけを元に書いていた癖は治らないのでしょうが。
ノーダさんも、像を想像さえしないで行政職員の振り付け通りに行っているのではないかと思えます。
韓国でも、像など建てて刺激をしない方がいいという意見もあります。
でも我々自身が忘れないためにも、あった方がいいと、私は主張しています。
少し集中的に読んで、気落ちしてしまいました。
佐々木さんは、「せめて寒いからとマフラーをかけるのが大使の外交官としての仕事」ではないかとも書いてきました。
同感です。
人の哀しさや思いに耳を傾けない為政者には人々はついていかないでしょう。
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