■「悪意」や「憎悪」を振りまくマスコミ
最近のマスコミの報道にいささかの違和感があります。
なんだか「憎悪」が満ちているような気がするのです。
たとえばサリン事件の平田容疑者や斎藤容疑者の出頭の受け止め方です。
時期が時期だけに「深い意図」があるのではないか、嘘をついているのではないか、死刑執行を遅らせるためではないか、17年も捕まらなかったのは組織的支援があるのではないか、などなど、悪意が満ち満ちた報道が多いです。
それに平田容疑者の写真も、凶悪犯人をイメージさせるものばかりです。
たしかにいろんな人が疑問を持つのはわかりますが、それにしてもあまりに「悪意」があふれていて、気持ちが悪いです。
私がテレビで見た限りでは、国会議員の有田さんだけが客観的に話していました。
しかし、そのテレビ番組では有田さんの視点で話し合う場面はありませんでした。
他の人は、発言そのものに憎悪の念があふれていたような気がして、私には不快でした。
まさに西部開拓史時代のリンチを思わせます。
嫌な時代だと思いました。
そうした憎悪と悪意に満ちていた社会であればこそ、純粋な若者たちのなかにはオウムに走った人もいるのではないかと思います。
その繰り返しではないか。
こんな社会では、またオウムのような事件が起きてもおかしくないような気さえしました。
平田さんや斎藤さんをかばうつもりはありませんが、いまの多くの人を見ると、彼ら以上に醜い気がします。
思い込みを捨てて、まずは彼らの話を聞きたいものです。
それに、17年間逮捕されなかったのは、逮捕する気がなかったからです。
それが今回ははっきりと証明されたはずです。
それこそをもっと報道はしっかりと追求すべきでしょう。
同じことは小沢裁判の報道にも見られます。
報道の基本に悪意を感じてしまうのです。
ここにきて少しトーンが変わりだしましたが、基本的には悪意を持った報道が多いです。
4億円の出所の説明が変わってきていると盛んに言われていますが、私には大した違いは感じられません。
今日の朝日新聞によれば、「小沢氏は億単位の資金を現金で保管していたことについて、「私どもの感覚から離れていなし」などと答えたそうです。
見出しに「私どもの感覚」とありますが、小沢さんの感覚と多くの人の感覚が違うのかもしれませんが、私にはむしろ小沢さんの感覚のほうがわかりやすいです。
少なくとも、そういう感覚があっても非難すべきではありません。
4億円のお金は現金で保管してはいけないという法律があるのでしょうか。
収支報告書を見ないにもおかしいという指摘も、私には理解できません。
そんなことを一々見るようであれば、そもそも会計責任者などおく必要もないでしょう。
実際には見たとしても、内容を細かく吟味することなどできるはずもないと私は思います。
みんな自分の感覚で、人を裁くのです。
自分が絶対正しいと考え、そこから逸脱している人には憎悪を向けるのでしょうか。
恐ろしい時代です。
まさにコンフォーミティの時代。中世の魔女狩りとどこが違うのか。
平田さん、斎藤さん、小沢さん。
みんな自分の友達だと思って、善意にその言動を解釈するとどうでしょうか。
そうしたらマスコミ報道とは違った人間像や言動判断ができるように思います。
どちらが正しいかは、私にはわかりませんが、事実がもう少しよく見えるような気がします。
そして、悪意ではなく善意で物事を受け止める人が増えてくれば、きっともっと住みやすい社会になっていくでしょう。
少なくとも、悪意で生きるよりも善意で生きるほうが、人生は楽しいです。
それにしても「悪意」や「憎悪」を振りまくマスコミは好きになれません。
よほど悪い人たちの集団で、みじめな生き方をしているのでしょうね。
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