■安心させるためのデータ
最近、テレビや新聞に地域別の放射線量データが表示されています。
ところが、千葉を代表しているのが「市原市」です。
私は千葉の我孫子市に住んでいますが、そこのデータと市原市のデータはかなり違います。
市原市のデータでは原発事故以前と今とではほとんど差がありません。
ところが我孫子周辺はホットスポットと言われるところで、大きく変化しています。
実際にわが家の周辺を測定した値と市原市の公表データとは数倍の差があります。
抗した問題の時に、私は以前から妻に感想を聞くようにしていました。
私は、千葉を代表するのがなぜ市原市なのかというような問題に、理由を見つけ出す習癖があるからです。
私に限らず、男性は往々にしてそういう習癖があります。
その点、女房は、あるいは女性は、そんな理屈をさがすことなく、生活感覚で答えるからです。
残念ながら、妻は数年前に見送ってしまいましたので、最近は娘に訊くようにしています。
娘は、生活者に不安を与えないためだよ、といともあっさり答えました。
娘も、権威が発表する数字には信を置いていないようです。
「安心させるためのデータ」
データには、いつもメッセージがあります。
一時期、これもテレビなどで盛んに流された電力需給予想などは、原発が必要だという一種の「洗脳行為」でした。
まあそれは言いすぎかもしれませんが、データは多くの場合、聴き手を操作するという発表者の意図がこめられているわけです。
それが悪いわけではありません。
的確に使われれば、正の効果を出すことも少なくないからです。
しかし、負の効果を出すこともあるのです。
データはほんとうに恐ろしいほどのパワーを持っています。
それに振り回されないためには、広い世界を持たなければいけません。
ちなみに、「安心させるデータ」が横行するという状況は、決して安心できない状況だと言うことです。
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