■コピーペーストした他人事の施政方針演説
野田首相の施政方針演説をネットで読みました。
いつもならできるだけ映像できちんと見るのですが、今回はその気力が出ませんでした。
読んだ時にはあまり気にならなかったのですが、テレビのニュースを見ていて、気になったことがあります。
政治。行政改革に対する決意を述べた最後の言葉です。
「私もリーダーシップを発揮してまいります」
よく聞くフレーズのような気もしますが、なんとなく違和感があります。
気になったのは、リーダーの立場にある本人が自分で言うべき言葉なのだろうかと言うことです。
正しい使い方なのかもしれませんが、どこかにおかしさを感じます。
リーダーシップは指導力とか統率力と訳される言葉です。
その訳自体も私には少し違和感がありますが、まあそれに置き換えると、
「私も指導力を発揮してまいります」
ということになります。
やはりピンと来ません。
では、私が、「野田首相はリーダーシップを発揮している」と言うのだったらどうでしょうか。
「発揮」と言う言葉に少し抵抗がありますが、まああまり違和感はありません。
自分のことをいう言葉ではなく、他者から言われる言葉のような気がします。
「決意」として「リーダーシップを発揮」というのも違和感があります。
あまりに間接的、観察者的です。
決意すべきは、発揮ではなく、実現だろうと思います。
まあ瑣末な言葉の問題だと言われるかもしれませんが、
野田首相は「言葉」だけで生きている人のように思えてなりません。
つまり内容がないのです。
駅頭演説を長年やってきたからでしょう。
学ぶことをあまり軽視してきたのでしょう。
昨今は「プレゼンテーションの時代」ですので、私の周辺でもプレゼンテーションを学ぶ人が多いですが、そういう人は押しなべて内容がありません。
内容がないから技法や言葉で飾り立てるのです。
それにしても、歴代の首相の施政方針演説の言葉を取り込んで、コピーペーストした野田首相はまさに時代を象徴しています。
| 固定リンク
「政治時評」カテゴリの記事
- ■湯島サロン「市会議員選挙に立候補して考えたこと」報告(2023.02.01)
- ■国家の安全保障のために政府には「機密」があってもいい、という「常識」(2023.01.26)
- ■「嘘つきは政治家のはじまり」にしてはいけません (2023.01.26)
- ■国会議員ローテーション制度に賛成します(2023.01.17)
- ■戦争をやめさせたいのであれば、戦争をつづける人に加担すべきではない(2022.12.22)
コメント