■原爆投下と原発事故の奇妙な一致
昨年8月の放映されたNHKスペシャル「原爆投下 活かされなかった極秘情報」の再放送を観ました。
ご覧になった方も多いと思いますが、私は初めてでした。
あまりにも衝撃的でした。
かなり過激にものを考える私にも、まさかと思える内容でした。
広島や長崎への原爆投下は、実は日本軍の上層部は事前に知っていたという話です。
しかも長崎の場合は、5時間前にその可能性を知った現場の諜報部隊が参謀本部に伝えていたのです。
その知らせに基づいて、的確な対応がとられていたら、広島の被爆者は激減し、長崎は投下さえ防げてかもしれません。
なぜ軍の上層部がその情報を握りつぶしていたかについても、明確ではないですが、示唆されていました。
当日、実際にその情報を受信し、上層部に伝えた当人が、番組に出ていました。
つい最近になって、その人は口を開き始めたのだそうです。
長い人生を、その人はとてつもない重い荷物を背負ってきたのです。
きちんと記憶していないのですが、その人は最後にこう話しました。
なぜ情報が活かされずに隠されたのか、そのことを明らかにしなければ、この国はまた同じことをするだろう。
その言葉は聞いて、私は昨年の原発事故をすぐに思い出しました。
この国は、まさに繰り返してしまっているのです。
その人だったか、別の人だったか、はっきりしませんが、敗戦後、上層部から、そうしたことに関する書類をすべて焼却するように指示されたそうです。
ここで灰になるまで燃しましたとその人は身体すべてを使って語ってくれました。
これも原発事故と似ているようにも思います。
もっと似た話もありました。
当時、軍は「想定外」の奇襲を受けたとして、原爆ではないと言い切っていたそうです。
「想定外」
この奇妙な一致には、不気味ささえ感じます。
最近、新聞などに「棄民」という文字が現れだしています。
日本政府はこれまでも「棄民政策」を繰り返してきました。
しかし、それはもう過去の話だろうと思っていましたが、どうもそうではないのかもしれません。
とても重いドキュメンタリー番組を見てしまいました。
世の中には、知らなかったほうがいいことがあるものです。
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