■節子への挽歌1615:今年は豆まきはやめました
節子
昨日は節分でしたが、今年は豆まきをやめました。
節子がいたらさぞ嘆くことでしょう。
節子は節分に生まれたので節子と命名されたと、昔、聴いた気がします。
私が書いた結婚通知の文章に、たしか「妻は節分に豆をぶつけられる鬼の涙のように、やさしい人です」と書いたような記憶があります。
どこかにその文章が残っているのですが、手元にないので確認はできませんが。
私は、昔から「鬼」が好きでした。
小学3年の時に小学校の学芸会で、「泣いた赤鬼」の赤鬼を演じて以来です。
その劇の最後のシーンで、私は舞台で実際に泣きじゃくるほど泣いてしまった記憶があります。
鬼は、やさしいのです。
それもあって、わが家の豆まきは、「鬼は内、福も内」でした。
福はほかの家でも歓迎される、しかし鬼はこの寒い夜にどこにも受け入れてもらえないとしたら、それは情に合いません。
節子もそれに賛成してくれ、「鬼は内、福も内」と声を出して豆まきをしていました。
しかし、節子が病気になり、その頃からわが家にはさまざまな問題や苦労がやってきました。
節子を見送った直後の節分の時には、もしかした鬼を内に招きこんだ結果ではないかとさえ思ったほどでした。
そのせいで、「鬼は内、福も内」の声も小さくなりました。
それに、娘たちは、あんまり納得しておらず、「福は内、鬼は外」のほうがしっくりくるようでした。
今年は、とても寒い夜でしたが、鬼を内に呼び込むのをやめることにしました。
もう「不幸」は呼び込みたくなかったのです。
娘も賛成で、豆まきは中止になったのです。
娘も、鬼を招きこむ豆まきにはどうも反対だったようです。
今朝は朝からとても良い天気でした。
しかし朝からいろんなことがありました。
訃報も届きました。
どうやら最近のわが家の不幸続きは、鬼のせいではなかったようです。
来年からまた、「鬼は内、福も内」は復活させようと思います。
鬼を疑ったことを恥じています。
| 固定リンク
「妻への挽歌09」カテゴリの記事
- ■第1回リンカーンクラブ研究会報告(2021.09.06)
- ■節子への挽歌1800:ささやかな日常の営みこそ輝いていた(2012.08.11)
- ■節子への挽歌1799:お人好し(2012.08.11)
- ■節子への挽歌1798:危うく熱中症?(2012.08.10)
- ■節子への挽歌1797:死んでいるのに、生きている(2012.08.10)
コメント