■被曝か停電か
テレビのニュースで、原発稼動を再開しないと停電の怖れがあるという発言を聞いて、娘が「被曝か停電だったら停電がいい」と言いました。
全くその通り、原発を再稼動しないと停電になるかもしれませんという電力会社や政府の発言は、ばかげた脅迫でしかありません。
しかし、それを真に受けている国民が多いのは不思議です。
両者は比較などできようもない話なのです。
同じようなシェーマはほかにも少なくありません。
原発のある地元の人がよく言うのは、原発は不安だが原発がなくなったら仕事がなくなるという発想です。
たしかに仕事がなくなっては生活は苦しくなります。
一見これは合理的な命題だと思いがちですが、今回福島で被曝した人たちはどう思うでしょうか。
両者は比較すべきものではありません。
他者に迷惑をかける仕事は許されないという視点に立てば、原発の仕事への見方は変わらないでしょうか。
しかしその渦中にいる人には、受け容れられない話かもしれません。
しかし、私たちはもっと勇気を持つべきです。
生活をしていく上で、お金より大切なものがあります。
それを忘れてはいけません。
ほかにもこうしたトリック的な二者択一の命題は少なくありません。
その罠にはまってしまってはいけない。
私はいつもそう自戒しています。
娘の「被曝か停電か」の言葉は、改めてそのことを気づかせてくれました。
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