■節子への挽歌1675:希望
節子
最近、ちょっと重い話が続いたかもしれません。
たしかに少し気分が萎えています。
春になっても、私には春が来ないと今朝、この挽歌に書いたのは素直な気持ちでした。
久しぶりに湯島のオフィスに来ました。
1冊の絵本が届いていました。
「きぼうのかんづめ」です。
そういえば、先日、テレビでも報道されていました。
石巻市の木の屋石巻水産の松友さんが送ってきてくれたのです。
木の屋石巻水産は東日本大震災の津波に襲われ、工場は跡形も無く流されてしまいました。
テレビで巨大な缶詰が横倒しになっている風景を見た人もいるでしょうが、あれが同社のシンボルでした。
会社はもう解散かという話まであったそうですが、奇跡的に在庫していた缶詰がたくさん工場の瓦礫の中から見つかりました。
そこからドラマが始まります。
ご存知の方も多いでしょう。
その話は「希望の缶詰」として有名になりました。
そのファンたちが、絵本づくりのプロジェクトを立ち上げました。
そのプロジェクトの呼びかけにこう書いてあります。
津波に流されずに
残ったものがあった。
それは、希望だった。
そして、絵本が完成しました。
同社もいま、会社再建に向けて動き出しています。
私は昨年、パネルディスカッションで同社社長の木村さんに会いました。
実に魅力的な人でした。
そのご縁で、松友さんとも知り合え、絵本が届いたのです。
絵本は、木の屋石巻水産の缶詰ファンがみんなでつくり上げた本です。
絵本づくりのプロジェクトのサイトに、こう書いてありました。
悲しみをシェアすれば、半分になる。節子と一緒に迎えた最後の年は「希望の年」にしたかった。
希望をシェアすれば、倍になる。
そのことを思い出しました。
ちょっと前を向こうかなと思い直しました。
そうしたら少し向けそうな気がしてきました。
今日の空はとてもきれいです。
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