■節子への挽歌1680:着る服がなくて困ります
節子
季節の変わり目で困ることは着る服がないことです。
なにしろ節子がいなくなってから、衣服を買いに行かなくなったため、着る服がないのです。
時々、娘のユカに付き合ってもらうのですが、気にいる服がないのです。
それで買わずに終わってしまい、結局、自宅に帰ってクローゼットなどを探して、昔のものを探してすませることが多いのです。
先週、暖かくなったり寒くなったりで困ったので、また娘に頼んで付き合ってもらいました。
なにしろお金も私はあまり持っていないので、娘の同行が不可欠なのです。
近くのイトーヨーカ堂に行きました。
ごった返していました。
それだけでもう「戦意」を打ち砕かれた感じです。
靴屋さんがありましたので、まず靴を買おうと思いました。
そういえば、靴も最近買っていません。
それで白っぽい靴がほしいと娘に言って一緒に探しました。
春ですから、茶色はもう終わりにしたかったからです。
しかし、娘から白い靴なんかないよと言われてしまったとおり、ありませんでした。
グレイもないのです。
なんでないのでしょうか。
靴はやめてジャケットを探すことにしました。
しかしどうもぴたっとするのがないのです。
ではパンツにしようと思い、パンツ売り場に行きました。
私はノータックでストレートでないとダメなのです。
コットンのチノパンツしかありません。
どうもぴったりしません。いささか細すぎるか太すぎるかのいずれかなのです。
なぜ私好みの衣服はないのでしょうか。
娘に言わせると時代が変ったのだというのです。
だからスーパーにはないと言うわけです。
困ったものです。
そんなわけでまた何も買わずに帰ってきました。
しかたなく自宅のクローゼットを探して数年前のチノパンツを3本見つけました。
今年はこれで我慢しましょう。
ジャケットはないので、オープンシャツかセーターで我慢しましょう。
節子は、歳をとったら歳相応のちゃんとした服を着てほしいといつも言っていましたが、私はどうもそれができません。
スーパーの安いカジュアルで十分なので、節子はいつも嘆いていました。
まあ、そういう節子も同じように、スーパーの安いカジュアルでしたが。
私は身だしなみや食事には、ほとんどお金をかけないのですが、節子がいなくなってから、ますますその傾向が強まりました。
そういえば、最近は書籍もあまり買わなくなりました。
高価な本は図書館で借りるようになりましたので、書籍代もほとんどかからなくなり、せいぜい月に1万円前後です。
お酒も飲まず、煙草はすわない。お金の使い道がありません。
まあお金もないので、ちゃんとバランスしているのですが。
さて明日は何を着ていきましょうか。
節子がいなくなってから、それが悩みの一つになりました。
困ったものです。
彼岸では衣服はどうしているのでしょうか。
ファッションやグルメなどという世界から、早く卒業したいものです。
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