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2012/05/09

■節子への挽歌1711:「私にとって一番大事なのは家族です」

節子
名古屋に本社がある企業の社長が湯島に来てくれました。
今年の初めに社長だった兄が急逝したため、社長になってしまったのです。
たぶん本人の意図ではなかったと思います。
前の社長も湯島に何回か来ていますが、2人の生き方はかなり違います。
社長の大変さをそれなりに知っていますので、まあ気分転換にでも立ち寄ったらとはなしていたのですが、昨夜、わざわざ横浜の出張のついでに立ち寄ってくれたのです。
2時間ほどいろいろと話しました。

最後にポツンと言いました。
私にとって一番大事なのは家族です、と。
その話し方が、心に響きました。
彼の人柄が出ています。
私も何人かの社長と接点はありましたが、これまで「人間」を感じた人はそう多くはありません。
まあ10人いるかいないかです。
いうまでもなく私が付き合うのは「社長」ではなく「人間」ですので、付き合いはそう多くはないのです。

家族がすべてではないですが、人は一人では生きてはいけません。
家族や友人に支えられて生きています。
昨今は、そうした家族や友人がなんだか功利主義的な関係になってきているような気もしますが、大企業の社長からぽつんと「私にとって一番大事なのは家族です」という言葉が出てくると、何やら無性にうれしくなります。
言うまでもなく、彼は友人も大事にしているでしょう。

私もまた、「私にとって一番大事なのは家族」と言い切ってきましたし、自分の意識の上では、そう行動もしてきました。
節子がいる時には、その家族の象徴が節子でしたが、節子がいなくなってそれが少し見えなくなってきていました。
彼の言葉を聞いて、いろいろと思うことがありました。

社長は明日また東京に来るそうです。
しかし今夜は名古屋に帰るといいます。
なぜなら家族と食事を一緒にしたいからだそうです。
彼がますます好きになりました。

節子がいる時に、彼と出会えればよかったと、つくづく思います。

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