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2012/06/07

■節子への挽歌1738:既生瑜、何生亮

節子
どうも最近、心身ともに調子がよくありません。
今日は、またちょっと挽歌らしからぬ内容です。

テレビの連続ドラマ「三国志」を最近観ているのですが、このドラマは映画「レッドクリフ」とはかなり違います。
レッドクリフでは悪役だった魏の曹操が好意的に描かれていて、私にはかなり安心して観ていられます。
ちょうどいまは、呉の名将といわれた周瑜と蜀の諸葛孔明の確執が中心に物語が展開されています。
周瑜と孔明はライバル関係にあり、孔明への怒りが周瑜の命を縮めるという設定になっていますが、史実においても、そうしたことが伝えられているようです。
周瑜は遠征途中に36歳で急逝するのですが、その臨終の際、「諸葛亮からの挑発的な書状を読み、「天はこの世に周瑜を生みながら、なぜ諸葛亮をも生んだのだ!(既生瑜、何生亮)」と血を吐いて憤死」(ウィキペディア)したといいます。
テレビドラマでも、諸葛孔明への怒りで周瑜が吐血する場面が何回か出てきます。
もし周瑜が「既生瑜、即生亮」と考えれば、歴史の流れは変わったかもしれません。
「天はこの世に周瑜を生んだからこそ、諸葛亮も生んだ」のです。

挽歌と無縁のことを書いてしまいましたが、少しつなげましょう。
周瑜の妻は小喬という、これも有名な人でした。
2人はお互いに深く愛し合っていました。
しかし、このドラマの中で、2人は諸葛孔明をめぐって、争います。
周瑜が孔明を暗殺しようとした時に、小喬がそれを妨げるのです。
その理由は、孔明がかつて周瑜を助けたことがあるからです。
周瑜を愛していればこそ、小喬は周瑜が孔子を殺めるのを妨げたのです。

愛は複雑です。
周瑜の悲劇は愛が小さかったことではないかと、私はその連続ドラマを観ながら、よく思います。
そして、節子の愛を思います。
節子と同じ時代に生まれたことを感謝します。

それと同じように、同じ時代に生まれた人たちをみんな愛することができれば、どんなに平安に浸れることでしょう。
残念ながら、しかし、最近、この時代に生まれたことにどうも感謝できません。
愛せない人があまりに多く、同じ時代に生きていることにさえ、不快感を感ずるほどです。
私の調子が、あまりよくないのは、そのせいかもしれません。
愛が小さいせいか、腹立たしいことが多すぎるのです。
吐血はしませんが、時々、嘔吐したくなります。

それを癒してくれる節子が、もういない。
心身の調子はなかなかよくなりません。
そんなわけで、最近は時評編もあまり書けないでいます。

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