■仕組みと現実
電力料金を値上げに関する公聴会が始まりました。
ここでの意見は、実際にはどういう効果をもたらすのでしょうか。
そう思うと、とても虚しい気分になります。
公聴会はほとんどのテーマで、賛否両論が出ます。
だからこそ公聴会の意味もあるのですが、そこでの多様な意見をどう受け容れるかで、全く結果は異なってきます。
最近、ある講演会で体験したことですが、同じ話を聴いてもその受け止め方は、正反対に近くなることもあるのです。
公聴会は、合意形成に向くよりも、自らの言い分を補強する材料になりかねません。
仕組みができてもそれが現実を変えるとは限りません。
仕組みと現実の社会は、最近はますます距離を広げているように思います。
大飯原発再稼動もそうでしょう。
これほどの反対があっても、政府はなんら影響を受けずに、当初のスケジュールを淡々とこなしています。
その鈍感さは驚くほどですが、反対を唱えるほうも、同じように鈍感になっています。
つまり生々しい生活ではなく、仕組みこそが社会の中心になってきているのかもしれません。
友人が、そろそろ原発事故の「記憶の半減期」になってきましたとメールをくれました。
私自身も、そうなりかねていることに唖然とします。
私は、政府に対してかなり批判的な思いを持っていましたが、最近はむしろ諦めに近い感情が勝っていて、まあ勝手にやってよ、という気分が強まっています。
みなさんはいかがでしょうか。
それではいけないとは思うのですが。
いまこそ、仕組みを撃つべき時期だと思いますが、どうやればいいか、わかりません。
私は、暴力には不向きな人間なので、やはり隠棲という逃亡生活しかないのかもしれません。
しかし逃亡生活も厳しそうです。
サリン事件の逃亡犯の報道も、いろんなことを考えさせてくれます。
住みにくい時代になったものです。
とりあえず、仕組みに拘束されたり、仕組みに信頼をもったりすることだけはやめて、これまで以上に、自分をしっかりと生きようと思います。
もちろん行動も含めて、です。
さまざまな意味で、汚染された社会の中で生きていくには、私にはそれしかないのかもしれません。
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