■節子への挽歌1777:猛暑日
節子
今日も猛暑日です。
「猛暑日」などという言葉は、節子は聞いたことがないでしょう。
予報用語としてつくられたのは2007年だそうですが、よく耳にするようになったのは今年からです。
35度以上の日を猛暑日と言うのだそうです。
節子がいなくなって以来、世界は大きく変わってきています。
まあ私の世界の見方が変わっただけなのかもしれませんが、かなり変質してきているような気がします。
都心はどんどん壊れだして廃墟化しつつありますし、人々の生き方は惰性的になってきています。
世界の経済はもう息絶え絶えですし、政治に至っては茶番劇の繰り返しです。
みんなオリンピックにうつつを抜かし、贋物のグルメがはびこっています。
まさに、荒廃期のローマ、パンとサーカスの時代です。
とまあ、こう書くといかにも大仰ですが、ある意味では、節子は良い時代を生きていたのかもしれません。
そんな気もする一方で、しかし、節子はもしかしたら、こうした「荒廃した時代」が好きだったかもしれないとも思います。
新しい丸の内も六本木も、私と違って、節子は好きだったかもしれませんね。
しかし、最近の猛暑続きはさすがの節子も好きにはなれないでしょう。
それほど暑い。
しかし、こうした暑さが好きだった時代も、私たちにはありました。
暑い暑いといいながら、首に手ぬぐいを巻いて、庭仕事をしていた節子が見えるような気がします。
節子がいたら、どんな猛暑日もきっと楽しめたでしょう。
一人だと、ただただ暑いだけで、やり切れません。
今日はこれから湯島に向かいます。
我が家にはないクーラーがあるので、熱中症にならずにすみますし。
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