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2012/07/08

■実態を知らずに何ができるのか

最近、複数の方から、「実態を把握せずに対策がとられてしまうこと」への憤りの言葉を聞きました。

お一人は、ホームページに書いた福島大学の小山准教授からです。
福島の放射線汚染農地の除染作業は、農地の汚染状況を把握せずに画一的に進められていることへの怒りです。
小山さんは、それに対して、怒っているだけではなく、農業者などとも協力しながら、汚染実態の把握作業を進めています。
その水田も見せてもらいました。

もう一人は、原子力関係者の方からお聞きしました。
事故が起きた時に、原因をきちんと調べることもなく、ともかく目先の問題に対して現場的に対処してしまいがちだというようなことに怒っていました。
報告書も、「○○という問題が発生したので、○○という対応をとって、問題を解決した」というスタイルが多いそうです。
そこでは「なぜ問題が起こったのか」という、原因追求が十分には行われずに、解決策が重視されているわけです。

今回の、国会による事故調査報告書は、原因追及が行われているでしょうか。
私は、朝日新聞の報告書要旨しか読んでいませんが、その限りにおいては、やはり〔原因〕はあまり追究されていません。
外部事象への配慮が不足していたとか、マニュアルや訓練が不十分とか、指示命令系統が混乱していたとか、書かれていますが、なぜそうなっていたのか、またどうしたらそうならないように出来たのか、などはあまり読み取れません。
私には、これが事故調査報告書だとは、やはり思えません。
一歩、突き進まなければ、意味が無いと思うからです。
そもそも、原発とは何かの議論さえ、読み取れません。
こうしたことは、おそらく「実態」をあいまいにして、対処療法的に行動してきた文化のせいではないかと思います。

こうしたこと事は、原子力に限りません。
大津で起こった中学生の自殺をめぐっての学校や教育委員会の対応にも、強く感じます。
彼らには、おそらく今もなお、罪の意識はあまりないでしょう。
実態を知ろうとしないし、知らない世界で生きようとしているからです。
実態を知れば、現場を知れば、人は変わります。
何をすべきかも見えてくるでしょう。
そう思っているのですが、実態を知ることはエネルギーが必要になります。
実態をできるだけ見ないですませたいと、多くの人は考えるのでしょう。
その一人でもある私も、大いに反省しなければいけません。

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