■節子への挽歌1789:黒崎茶豆
節子
また新潟のお盆時期になりました。
それに合わせるように、新潟の金田さんが黒崎茶豆を送ってきてくれました。
節子がいたらどんなに喜ぶことでしょうか。
それにしても、みんないろんなものを送ってきてくれます。
私は節子と違って、人に贈り物を送るのがとても苦手なのですが、なぜかみんな贈ってきてくれます。
節子がいたらお礼の手紙も書くのでしょうが、私の場合は、電話で終わりです。
電話も忘れることがあるのです。
節子はきっと嘆いていることでしょう。
節子は豆類が大好きでしたが、実は私は豆類が苦手なのです。
ところが不思議なもので、節子がいなくなってしまってから、なぜか枝豆が好きになったのです。
ズンダ豆も黒崎茶豆も好きになったのです。
妻と結婚して食生活が変わると言うことはあるでしょうが、妻がいなくなって食生活が変わると言うのは、理屈に合いません。
しかし、そういうこともあるのです。
節子がいなくなってから、わが家のパントリーから保存用のいろんな豆が出てきました。
一部は私にも見覚えがありましたが、旅行先で買ってきた豆です。
長瀞のお店で、節子がいろいろと買っていたのを覚えています。
長野か山梨でも買っていました。
私は買い物が嫌いですが、節子は好きでした。
めずらしい豆を見ると節子は買いたくなるのでしょう。
しかし、調理されることなく、豆だけが残されてしまっていました。
あの豆はどうしたのでしょうか。
わが家の娘たちは、食べ物は無駄にしないタイプなので、たぶん節子に代わって調理されたと思います。
しかし食べた記憶がありません。
節子は、調理が好きでした。
病気が進行して台所に立てなくなってからも、1品でも作りたいとがんばっていましたし、家族のために調理できないことをとても悲しんでいました。
節子は、決して調理が上手とはいえませんでしたが、私は節子の料理が好きでした。
時に苦手のものもありましたが。
しかし、苦手のものも含めて、もう節子の料理は食べられないのです。
ところで、黒崎茶豆はあまりにも美味しく、節子に供えるのを忘れてしまい、娘と一緒にみんな食べてしまいました。
困ったものです。
また明日も茹でてもらい、明日こそ、節子に供えましょう。
金田さんは、それを見越したように、どっさり送ってきてくれましたから。
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