■灰色のマトリョーシカ
すでにさまざまなブログなどで取り上げられていますので、あえて書くこともないかと思っていたのですが、フェイスブックに書いたらかなり反応があったので、ブログでも書くことにしました。
一昨日のテレビ報道ステーションで作家の浅田次郎さんが、チェルノブイリで見てきた風景を「灰色のマトリョーシカ」にたとえて話してくれました。
とてもわかりやすくて、しかも原発の本質を示唆してくれる話です。
チェルノブイリでは、廃炉にした原発を覆ったコンクリートの箱が劣化して、そこから放射線が漏れ出すため、またそれをさらに大きなコンクリート箱で覆っていく作業をしているそうです。
さらに20数年経過したら、またその外側に、さらに大きなコンクリートの箱を覆いかぶせないと放射線は閉じ込められないかもしれません。
その風景を、浅田さんは入れ子人形のマトリョーシカにたとえたのです。
私は、思わず、未来永遠に続く苦行のシジフォスの神話を思い出しました。
放射線が出なくなった時には、もしかしたら地球よりも、その灰色のマトリョーシカは大きくなっているかもしれません。
しかもおぞましいことに、これから原発を稼動し続けていけば、チェルノブイリ以外にも、そうした「灰色のマトリョーシカ」は増えていくでしょう。
すでに2番目の「灰色のマトリョーシカ」は、福島に生まれつつあります。
この事実を知ってもなお、原発がないと不安だとか原発ゼロは現実的でないとかいう人がいます。
私が思うのは、全く反対のことです。
原発があることが不安ですし、原発の存在こそが現実的ではないのです。
その違いはいったいどこからくるのでしょう。
そこにこそ、私は人の生き方のすべてが見えてくるような気がします。
報道ステーションの画像も含めて、何人かの人がブログなどで記録してくれています。
ご覧になっていない方はぜひご覧ください。
たぶん原発の本質が、わかってもらえると思います。
いまは次のサイトが見られると思います。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2274.html
蛇足ですが、「灰色のマトリョーシカ」の話を聴いて、もしかしたら地球そのものが45億年前につくられた「灰色のマトリョーシカ」ではないかと、ふと思いました。
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コメント
今日は休日で、自宅で好きな音楽を聴いていました。
Laura Pausini(イタリア)の2枚のアルバムです。
その1枚に入っている【One More Time】という曲を聴いている時に、この映画の“Message In A Bottle”を思い出し、何気に検索したら、『妻への挽歌』に巡り合いました。
そして、さらに『マスコミ時評』シリアでの山本さんの死の記事を読んだ時、もう1枚のアルバムに入っている【DoveL'AriaE'Polvere】邦題:土煙の舞う場所という曲を聴いて、涙か溢れました。
戦闘の地で怯える幼い子供の姿が脳裏を過りました。
最初に巡り合った『妻への挽歌』年賀状の記事で、奥様のお名前が“節子さん”ということと、エジプトの“中野さん”というお名前を知りました。
偶然なのか必然なのか…。
私の名前は、中野節子と申します。
P.S.
そして、他の記事の臨死体験ですが、私にもあります。
九死に一生を得て今があると思っています。
人はよく、危ない目に遭うと、二度ある事は三度あると言いますが、私には既に三度ありましたので、今日は今日しかないという気持ちで“今”を大切にしています。
今生きていること、今ある命のエネルギーを感じて生きています。
投稿: Setsuko | 2012/09/01 21:36
P.S.
この命、
何億分の1の奇跡
森羅万象
この青く美しい地球
何億分の1の奇跡
それなのに、戦闘と破壊を繰り返す、愚かな人間達
『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』の映画のようですが、真に現実問題。
何れ、天が(地が)悲鳴を上げる時が来るかもしれません。
投稿: Setsuko | 2012/09/01 21:56
中野節子さん
ありがとうございます。
偶然なのか必然なのかと書かれていますが、最初、投稿者のお名前が Setsuko とあったので、驚きました。
中野さんは、毎月、ラジオでエジプト情報を報告してくださっています。
奥様のほうですが。
DoveL'AriaE'Polvere はユーチューブで探してみましたが、見つかりませんでした。
股探して聴いてみます。
ありがとうございました。
返信が遅れてすみません。
この数日、彼岸をさまよっていた気分です。
投稿: 佐藤修 | 2012/09/09 10:41