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2012/08/22

■ジャーナリスト山本美香さんの死

内戦が続くシリアで、取材中の日本人女性ジャーナリスト山本美香さんが戦闘に巻き込まれて死亡しました。
衝撃的なニュースです。
私たちは、こうした人たちのおかげで、安全な日本に居ながらにして、世界で何が起こっているのかを知ることができるのですが、紛争地では毎日、生命を賭けて仕事をしている人がいることを忘れがちです。

山本さんは、単に取材していただけではなく、日本の若者たちにメッセージを出し続けていたといいます。
朝日新聞に、山本さんの次の発言が紹介されていました。

紛争の現場で何が起きているかを伝えることで、世界が少しでもよくなればいい。
報道することで社会を変える事ができる。
私はそう信じています。
すべては「知る」ことから始まります。
知らなければ、考えることも行動することもできません。
しかし、現場で起こっていることを正確に伝えることは難しい。
大変なエネルギーが必要であり、危険もまた大きいからです。
こうした事件が起きるとよく話題になりますが、山本さんもまたフリーのジャーナリストでした。
自らの責任で、リスクを背負って紛争地で取材してくるわけです。
フリーの身軽さはあるでしょうが、安全対策に関しては必ずしも十全ではなかったでしょう。
今回の事件は、予想外のものであり、避けようがなかったと言われていますが、フリージャーナリストは身の危険を一身に背負って真実を伝えようとしているのです。
それに対して、その情報を受ける私たちはどうでしょうか。
果たしてそうした情報に対してきちんとした接し方をしてきているでしょうか。
いかにも安全な環境の中で、オリンピック騒ぎにうつつを抜かしていていいのか。
私も、その例外ではありません。
シリアのパルミラ遺跡を見に行きたいので早く内戦が終わってほしいなどと思っていたりしているのです。
恥ずかしい限りです。

そういえば、今回のオリンピックの開会式にも登場したバレンボイムも、「互いを知らなければ、何も始まらない」と言っていました。
お互いを知ることで、世界は良くなっていくだろうという山本さんの信念に改めて自らの生き方を問い質したいと思います。

報道は、現場で起こっていることを知らせるためにあります。
大切なことは、知らせるべき情報や事実の選び方です。
「報道することで社会を変える事ができる」という使命感を、報道関係者がもっと強く持ってくれれば、選ぶ対象も変わっていくでしょう。
その気の無い報道関係者に、山本さんのメッセージが届くことを願います。
そして、私ももう少しまじめに世界の紛争地の情報に接していきたいと思います。
山本さんが言っているように、世界で起こっていることはすべて、私の生き方につながっているのですから。

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