■富裕層は不労所得者
先ほどテレビで「富裕層ビジネス」の話をしていました。
番組は見ませんでしたが、いわゆる「富裕層」が日本にも多くいます。
こういう話が出てくるたびに、思うことがあります。
富裕層は、ほとんど働いていないのだろうなと言うことです。
言い方を変えれば、働いていたら決して富裕層にはなれないでしょう。
人が真面目に働いて獲得できるお金は、そんなに差があるはずがありません。
スポーツ選手や芸能人が億単位の年収を貰っているのは、私には理解できませんが、それが彼らの働きに正しく対応しているわけではありません。
彼らは単にお金を集める集金装置の歯車として自らを売っているだけの話です。
誠実な人であれば、億単位の対価をもらえば悩むはずですが、なぜか彼らは悩みません。
私には理解し難いことです。
みんなそんな悪い人には見えませんが。
彼らは、生命を極限まで燃やして頑張っていますから、ある意味では許されるような気がしないでもありません。
しかし、彼ら以上に富裕な層はたぶん働きはしません。
誰かを働かせて、ぴんはねをするのが、彼らの働き方ですが、それは普通の「働き」とは違います。
たとえば、福島の原発事故の修復作業に当たっている労働者とその労働者に給料を払っている人の構造を少し考えてみれば、よくわかります。
給料の多寡と労働の多少とは、反比例しているでしょう。
除染費用はゼネコンにたくさん入るでしょうが、現場の労働者に配布される給料はそのほんの一部でしょう。
日当20万円という話もありましたが、仮にそうだとしても、会社の収入にくらべればわずかな額でしょう。
さらに全く働かずに、お金を貸して高利を貪っている人がいます。
日本政府は巨額な借金をしていますが、それに対して巨額な利子を払っています。
富裕層は、その巨額な利子に寄生しています。
言い換えれば、財政赤字であることのおかげで富裕になっている人がいるわけです。
そういう人は財政赤字が解消されたら困るわけです。
小泉元首相のように、巨額な政府借金の道を開いた人には感謝しているでしょう。
そういう不労所得をなくすために、政府は借金を返済しないでいいという法律をつくれば、財政赤字は1日でなくなります。
あるいは日銀券を借金分だけ印刷して返済してもいいでしょう。
お金に依存して生活していた人は困るでしょうが、多くの人は困らないでしょう。
経済が混乱するから失業者が増えて貧しい人ほど困るだろうと思うかもしれませんが、そんなことはありません。
貧しい人は、そもそもお金がないのだから、お金の経済が混乱してもどうという事はありません。
さて、この論のどこに間違いがあるでしょうか。
いくらでも指摘できるでしょう。
しかし、正しいことはまったくないでしょうか。
ひとつくらいはあるでしょう。
そのひとつから、論を組み立てていけば、世界は全く変わってきます。
こんなことを書いたのは、もう一つおかしいことがあったからです。
陸前高田の枯れた1本松が今日、切り倒され、来年また記念碑として立てられるそうです。
それはいい。
しかしその費用が1億5000万円だそうです。
周辺の被災者に1億5000万円を配って、みんなで工夫して松の伐採と記念碑づくりに当てられなかったものでしょうか。
1億5000万円はだれのポケットに入るのでしょうか。
危険をおかして伐採した作業員の今日の日当はいくらだったのでしょうか。
みんなお金の感覚が麻痺しています。
お金が単に交換のためのコミュニケーション手段でしかなかった時代に、私は生きたかったです。
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