■森口尚史さんが憎めないのですが
「iPS誤報問題」で森口尚史さんが連日テレビでたたかれています。
「肩書き」の多くは虚偽だったようですし、臨床事例の話もほとんどが嘘だったようです。
読売新聞の「スクープ」から始まったこの事件は、いったい何だったのか、理解し難いところがあります。
ただ連日テレビを見ながら、どうもこの森口さんが憎めません。
娘に、この人はきっと良い人だよと言ったら、嘘をついているんだよと言われましたが、どことなく私には憎めないところがあります。
彼の関わったプロジェクトへの助成金や補助金の洗い直しの話まで出てきています。
これから森口さんは大変ですね。
おそらく「いじめの対象」になるでしょう。
いじめ問題に偉そうなことを言っている人ほど、いじめが好きですから。
新聞社の対応にとても興味があります。
もっとも、この事件によって、行政による、形だけ整えば実効性がなくても何のお咎めも無い助成金や補助金の実体が見直されるのは、悪いことではありません。
そういう形で、どれほどの税金が無駄遣いされていることでしょうか。
被災地の復興予算が、さまざまな形で使われていることも問題になっています。
政府の閣僚が、テレビでおかしいと発言しているのを見ると、それこそおかしいのではないかと思いますが、自分たちがそれをやっているという認識がありません。
おかしいと気づいたら、すぐに予算執行をストップすればいいだけの話で、テレビで首をかしげているような暇があるのであれば、きちんと仕事をしろと言いたいです。
これからきちんと精査するなどと言うのも、おかしな話です。
その前に、反省し謝罪しろと言いたいです。
会社なら横領罪でしょう。
全く政治家は気楽な仕事になってしまいました。
復興予算横流しの件も、テレビで誰かが話題にしたからみんな調べるようになってきたわけですが、こんなものはおそらく山のようにあるのでしょう。
パーキンソンの法則ではありませんが、官僚の数だけ仕事は生まれるのです。
それをマネジメントする人がいなければ、予算使途はどんどん増えていくのです。
実体につながっていないところほど広がりやすい、というのは、パーキンソンの法則にはありませんが、間違いない法則です。
森口さんの話と復興予算の話は、奇妙につながっています。
森口さんを裁くのであれば、復興予算を復興とは別のところに使ってしまった官僚や政治家も厳しく罰して欲しいものです。
森口さんが使ったお金は微々たるものです。
しかし、われわれ生活者は微々たるお金ほど理解できるので、復興予算を何百億も横流しした人よりも、数百万円を横領した人のほうを責めがちです。
まあそこが、私たち貧乏人の悲しき習性です。
そのために、小沢さんは首相になれなかったわけですが、私たちのそうした貧しい根性を恥じなければいけません。
森口さんがいじめられなければいいのですが。
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