■「成長が無ければ世界経済の未来は危うい」
IMF・世銀年次総会が開幕されました。
その冒頭、ラガルドIMF専務理事は「成長が無ければ世界経済の未来は危うい」と述べました。
あいもかわらぬ「成長発想」です。
この発想をどう克服していくかが、未来を危うくしない道ではないかと思っている私には、とても違和感のある言葉です。
このまま(現在のような経済の)成長が続いていけるはずがありません。
そのことは40年前のローマクラブの「成長の限界」以来、盛んに言われ続けてきたことだったはずです。
しかし、実際には、世界の経済を主導する人たちはだれも本気で発想を変えることはなかったようです。
ローマクラブの「成長の限界」は、「全体」をシミュレーションして、そういうメッセージを出しましたが、昨日も書いたように、いつの間にかまた全体ではなくそれぞれの狭い専門領域でしか考えなくなったようです。
全体を見なければ、いうまでもなく無限の成長は論理的に可能です。
しかし、実際にはそんなことはありえません。
もちろん成長を否定するつもりはありません。
ただ「成長」がなければ未来がない経済ではなく、成長がなくても、みんなが幸せに慣れる経済を目指したいと思います。
IMFや世界銀行に、それを期待するのは無理なことはわかっていますが、経済は大きなパラダイム転換をする時期に来ていることを、私たちはもっと認識すべきだと思います。
お金だけが経済ではないのですから。
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