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2012/11/01

■節子への挽歌1887:濱崎さんと太田さんのおもてなし

節子
昨日、京都の弘道館に立ち寄ってきました。
ここは江戸中期の儒者・皆川淇園が1806年に創立した学問所です。
長らく放置されていましたが、3年ほど前にそこにマンション計画が出てきたため、保存運動が起こりました。
その中心になったのが、節子も会ったことのある濱崎加奈子さんと太田達さんです。
そして私募債を発行して、なんとかマンション計画は阻止したのですが、資金的にも人的にも、大変な苦労をしているようです。
先日、濱崎さんが湯島に来てくれて、その後の経緯を話してくれました。

残念ながら私は淇園のことを知りませんでしたし、京都の文化にはなじみもなく、何をしていいかわからないのですが、何かしなければいけないと思ったのです。

節子がいなくなってから、私の中にひとつの新しいルールのようなものが生まれてきています。
意識的につくったルールではなく、自然と動く心の流れとで言ったほうがいいでしょう。
それは、節子のことを気にしてくださった人には、なにかをしたいという無意識な心の動きです。
心がそう動いたとしても何かが出来るわけではありません。
しかしいま振り返ってみると、そうした心の動きを感じます。

節子が病気で大変だった頃、濱崎さんから美味しそうな冷菓が届きました。
間違いなく太田さんがつくったものだと思いました。
太田さんは有識菓子御調進所「老松」のご主人でもあるのです。
さりげない、そうした気遣いは、深く心に残ります。
以来、実は太田さんにはお会いしていませんでしたが、忘れたことはありません。

昨日は、自分になにか出来ることはあるかを考えるために、濱崎さんにお願いして、弘道館を見せてもらいにいったのですが、庭などを見せてもらっていたら、太田さんが手づくりのお菓子をもって現れたのです。
思ってもいなかったことなので、少し慌ててしまいました。
濱崎さんが点ててくださったお茶と一緒に、弘道館の貴人用の茶室でいただきました。

太田さんとは何年振りでしょうか。
しかもゆっくりとお話しするのは初めてです。
しかし話し出してすぐに心が開けてくるのを感じました。
思いのほぼすべてが、とても共感できるのです。
話は途切れることなく、すっかり長居してしまいました。

Koudoukan2_2

Koudoukan1_5

お暇する時になって、初めてあの冷菓のことを思い出しまた。
そしてずっと気になっていたお礼の言葉を言うことができました。
そうしたら、太田さんから「文章を読ませてもらいました」と言われました。
どの文章だろうか、といささか冷や汗をかきました。
今は全く記憶がないのですが、もしかしたらお礼の手紙を書いていたのかもしれません。

弘道館の庭は、とても親しみが持て、心なごむ庭でした。
私は2時頃にお伺いしたのですが、門から玄関まで打ち水されていて、とてもすがすがしいおもてなしでした。
お茶の飲み方も知らない私でも感激したのですから、節子が一緒だったら、どんなに感激したことでしょう。
お土産にまた、太田さんのお菓子をいただきました。
節子に供えさせてもらいました。

さて私になにかできることはあるでしょうか。
節子
知恵と力をくれませんか。

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コメント

京都に行く機会は何度かありましたが、残念ですが、弘道館は知りませんでした…。

水戸藩の藩校だった水戸市の弘道館は、国の史跡として、正門等の三ヶ所が重要文化財になっているそうですが、
日本を代表する古都・京都の歴史的建物が取り壊されて、都の景観、街並みが変貌して行く様子は残念です…。

東京に住んでいる私が思うのは自分勝手な思いかもしれませんが…、それでもまだ、私が住んでいる武蔵野の地は、自然と文化が共存しているほうなので、大都市東京の中でも、この街が好きです。

今回、弘道館の事を初めて知り、濱崎様と太田様の活動をとても興味深く拝見致しました。

私に何が出来るか分かりませんが、心が動きました。

京都に行く機会があれば、是非弘道館と老松に行ってみたいと思います。

P.S.
今日は休日で、自宅で大好きな音楽♪を聴いています。

Secret Gardenの【The best of Secret Garden】

私は心が整えられ、優しい気持ちになる大好きなアルバムです。

既にご存じかもしれませんが、是非聴いてみて下さい。

投稿: Setsuko | 2012/11/02 12:45

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