■大同小異の視点での政党再編成
民主党からの離党者が続出しています。
なかには自民党に入党する人までいますので、いささか選挙対策ではないかと思いがちですが、すべてがそうであるわけではないでしょう。
誠実に考えての離党者は少なくないように思います。
民主党で選ばれたにも関わらず、勝手に民主党を離党するのは裏切りではないかと言う人もいますが、国民は「民主党」に投票したのではなく、「民主党のマニフェスト」に投票したわけであり、そのマニフェストが裏切られたのであれば、離党しない事がむしろおかしいというべきでしょう。
もっともマニフェストといっても、いまの日本のマニフェストは次元の違った雑多な内容が並べられているだけのものですから(したがって私は現在のマニフェスト選挙には以前も書いたように反対でした)、マニフェストに反したというだけでは十分ではありません。
最近「大同小異」という言葉が安直に語られていますが、その「大同」に相当するところ、つまりマニフェストの根幹を軸に考えなければいけません。
福田衣里子議員が今日、離党し、新党「みどりの風」入りを表明しましたが、その記者会見で、消費税増税や民主党の原発政策に関し「弱い人の視点が欠けている」と強調したことはとても納得できます。
私の考えでは、そうした「弱い人の視点が欠けている」というようなことこそが、マニフェストでなければいけないと思っています。
たとえば、「弱い人の視点から政治を進める」ということを根幹に置けば、いまの論点である、原発、消費税、TPPをどう考えるかは明確です。
たくさんの党が乱立していて、どこに違いがあるかわからず、どこに投票していいかわからないとテレビでは盛んに語られていますが、そんなことはありません。
自らの視点や視座が明確であれば、どの政党に投票するか、あるいは投票すべきでないかは、見えてくるはずです。
情報不足と言う人もいますが、少し努力すれば、情報はいくらでもあります。
投票が難しいなどと話すキャスターやコメンテーターを見ると、選挙をだめにしているのは、こういう輩ではないかと思います。
投票が難しいのはいつも同じです。
安直に投票した結果がどうなるか、もうわかっているはずではないかといいたいものです。
そもそも選挙で代表を選ぶということは難しいものなのです。
努力も必要です。
せめてマイカーやマイホームを購入する時くらいの努力はするべきでしょう。
それさえしないで、投票が難しいなどと言うべきではありません。
タレントの人気投票とは違うのですが、テレビ人はどうも同じだと考えているようです。
彼らの多くは、たぶん投票にさえ行かないのでしょう。
国会議員の候補者になったタレント稼業の人が、これまで投票に行かなかったと発言して話題になったことがありますが、必ずしもそれは例外的なことではないように思います。
人間には直観力がありますから、難しい政策などはどうでもよく、立候補者の顔を素直に見れば、だれに投票すべきかはわかる、ともいえます。
政党も代表や幹事長の表情と話し方をきちんと見ていれば、わかります。
もちろんそれで失敗することもありますが、それは仕方がありません。
そもそも人の行動には失敗がつきものなのです。
私は明確に投票基準を持っていますので、もう政党は決まっています。
私の基準からすれば、「投票してはいけない政党」が圧倒的に多いので、今回は選ぶのがとても簡単な選挙のように思います。
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