■福島の現実
胃腸炎になる前日、福島の現実の話を聞く機会がありました。
放射線計を1年間、身につけて生活してきた立柳さんをゲストにしてサロンを湯島で開いたのです。
私の呼びかけの不手際もあって、参加者が少なかったのが実に残念ですが、参加してくださった方たちは一様に大きなショックを受けたと思います。
マスコミでの現地報道がいかに真実とかけ離れたものかは、福島の人と直接お話すればよくわかりますが、今回はそれをデータでしっかりと示してくれたのです。
ネットでも情報は流れていますが、やはり実際の体験者からのお話は衝撃的で説得力があります。
たまたま今回のサロンには、お2人の大学教授も参加してくれました。
私のところに来てくれるような大学教授ですから、いずれも批判精神旺盛で行動的な人ですが、それでも話は衝撃的だったようです。
立柳さんは福島での生活の拠点を大学の自分の研究室に置いています。
それはコンクリートに囲まれた部屋を外気遮断しておくのが一番被爆量を減らせることがわかったからです。
そういう生活環境を整えれば、東京の生活拠点とほぼ同じ被爆量に抑えられるのだそうです。
しかし、そんなことをしている人はほとんどおらず、多くの人は外気が入り込む家で過ごしています。
せめて保育園をコンクリート張りにしてやるだけで子供の被爆は減らせるのです。
しかし基本的には福島の子供たちは、一日も早く、県外に脱出させるべきだと立柳さんは言います。
脱出できる人はすでに出ているのも事実ですが、脱出を支援する仕組みをもっとつくる必要があるというのです。
そのためには親の働く場が不可欠だと立柳さんは言います。
前にも書きましたが、いま、福島市と飯舘村の放射線汚染度はほぼ同じです。
一方は6500人の住民が申すんでいませんが、福島市の30万人を越える住民は今もすんでいます。
これをどう考えるべきでしょうか。
そこから問題の本質と政府の対応のすべてが見えてくるように思います。
生活体験を踏まえた立柳さんのお話をもっと多くの人に聞いてほしかったと、返す返すも残念です。
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