■誰に投票すればいいか
新しい党の統合が進んでいます。
それへの批判も多いですが、私はとてもいい動きだと思います。
もちろん新しい政党が出来ることも含めてです。
無党派層という言葉もあいまいな言葉ですが、そこには政治への無関心層(そのなかにも現在の政治への失望層と政治そのものへの無関心層があると思います)と支持政党が見つからない層がいるはずです。
後者にとっては、新しい政党の出現は望ましいはずです。
そうでないとしたら、ただ単に「無党派」だと言い訳しているだけの話です。
そういう人も多いと思いますが、それは「無党派層」であることが恥だと思われなくなっているからです。
無党派層という言葉を肯定的に使っているマスコミの責任です。
私は、恥じらいもなく自ら「無党派」「無宗教」を口にする人は信頼しません。
テレビでは、これだけたくさんの政党があるとどこに投票していいかわからないという人が多いです。
私も一時、そう思ったこともあります。
たくさんの種類のテレビがあって選ぶのに苦労したことがあるのを思い出したからです。
しかし、テレビと議員選挙とは違うことに気づきました。当然のことですが。
それに気づかなかったこと自体、世間の常識に呪縛されていたことを反省しました。
政党は多ければ多いほど投票すべき党が見つけやすくなる、私の考えからすれば、当然そう考えるべきでした。
そもそも政党には2つの意味があります。
投票者には誰に投票するかという思考を縮減するために、また選ばれた議員は政策決定の思考を縮減するために、存在します。
直接民主主義の実現に必要な膨大なエネルギーを縮減するための仕組みが代議制ですが、さらにその代議制が多くの「縮減の仕組み」を組み込んできていますが、そのひとつが政党です。
現在のようにITが発達し、コンピュータ処理能力が進化した段階では、そうした縮減機構は不要になっているのですが、できた機構はそれから利益を受ける人たちによって維持されるわけです。
少し横道にずれてしまいました。話を戻します。
私たちは、政党に投票するのが選挙だと思いがちです。
それはマスコミがそう仕向けているからでもあり、政治評論家やテレビに登場するコメンテーターなる人たちがそう思っているからだからです。
彼らは決して、一人称自動詞では語りません。
私たちは、政党に投票すべきではなく、人や政策に投票すべきです。
現在のように複雑な社会状況においては、すべての問題に賛成できる政党はないのが普通です。
しかし、もし自分が大事にしているものがあるとすれば(誠実に生きていれば、当然、それがあります)、その考えに合う主張をしている人に投票すればいいのです。
私のとってはきわめて簡単で明確なことです。
私は現在の最大の関心事は、原発ですから、脱原発を主張しているところに投票します。
政党が掲げる主張はただ選挙受けのためではないかと言う人がいます。
なかにはテレビで、新しい政党に関して公然とそう語る人もいますが、それは名誉毀損訴訟に該当する発言です。
そういう人に限って、マニフェストをないがしろにした野田首相や岡田副総理は批判しませんし、自民党は民主党に関しては、その種の発現はしません。
人を信ずるところから社会も政治も始まります。
主張を信じなければ何を信ずるのでしょうか。
権力の座にある人ほど、あるいは時代の流れに乗っている人ほど、主張は実現しやすいことは間違いありません。
しかし、新しい動きや変革は、主張を実現する力がなくて挫折しやすい人の主張から始まるのです。
私は、その意味で負け戦が好きなのですが。
最初はみんな負けるのです。その役割を引き受ける人がいなければ、社会は変わりません。
長々と書いてしまいましたが、どうも私自身が感情に流されてしまいがちで肝心なところに行き着きません。
今日はとても怒りを感じています。
それにしても昨今の政局報道に群がる「有識者」の発言はひどいものが多すぎます。
それに惑わされないように、自分が一番大事にしている課題ひとつに絞り込んで、ぶれない投票をしたいと思います。
政党が乱立し、再編成されている過程は、そうした自分の考えを整理するのに有益な材料をたくさん与えてくれます。
政治を変えていくのは、議員やマスコミではなく、生活者であり私(自分)なのです。
そう考えれば、投票先は簡単に決まるはずです。
もし決まらなければ、それは自分が誠実に生きていない証拠です。
生き方を変えるのがいいでしょう。
みんな自らの生活を守るために大変かもしれません。
しかし、その生活の基盤である社会がいま大きな岐路にある。
それを忘れてはなりません。
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