■節子への挽歌1906:今日は着こなせない背広で出勤です
節子
先週、メーカーズシャツ鎌倉の会長の貞末さんとお話しました。
パネルディスカッションのパネリストをお願いした関係です。
一緒に食事をしましたが、共通の友人もいて、話は弾みました。
しかし、そこでグサッと来る言葉を言われました。
日本の男性は洋服を着こなしていない。第一、自分で服も買いに行かないのですから。
貞末さんは先月、ニューヨークにお店を出展したばかりです。
本場で勝負しているのです。
実は私も衣服を自分で買いに行くのが苦手です。
節子がいた頃は、いつも節子に一緒に行ってもらいました。
スーツやジャケットは私が選ぶのですが、貞末さんにはだらしないと一喝されるでしょう。
私の好みは実にシンプルなのです。
しかし最近は、私好みのシンプルな商品は少ないのです。
節子はいつも私に付き合ってくれていましたが、なかなか私の気にいるものがないので、あんまり付き合いたくなかったかもしれません。
最近は娘に頼んで付き合ってもらっていますが、結局、気にいるものがなくて、買わないことが多いので、呆れています。
私が時代遅れになったのかと思いますが、本当に気にいる服がないのです。
それで、気にいったものがあるとまとめて購入しますが、これまた困ったもので、好みが変わってしまうことがあるのです。
昔は大好きだったジーパンも最近はなぜかはく気もしません。
一時はコットンパンツやコーデュロイパンツが気にいっていましたが、最近はあんまり気にいっていません。
同じものが数本もあるので、しかたなく着用していますが、すっきりしません。
もっと困っているのが上着です。
ジャケットが好きでないのですが、それに代わるものがない。
何を着ていいかわからないことが多いのです。
貞末さんが言うように、着こなすどころの話ではなく、それ以前の段階なのです。
困ったものです。
今日はこれから企業関係者の集まりに出かけます。
こういう時には、背広ですので、とても楽です。
それに25年間、会社生活をしてきたせいか、背広を着ると落ち着くのです。
しかし最近は背広でない生活が多くなっていますし、背広も実はこの数年、つくっていないのです。ネクタイさえ買っていません。
そのいささか古い背広とネクタイを身につけて、今日は仕事です。
そういえば、節子は私の背広姿が一番いいといっていました。
私がおしゃれでないのを、よく知っていたのです。
まあ、そういう節子もおしゃれではなかったのですが。
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