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2012/12/31

■水俣病は殺人事件なら福島原発事故はなんでしょうか

今年亡くなった原田正純さんの取材番組をテレビで観ました。
原田さんは長年水俣病に取り組み、「苦海浄土」を書いた石牟礼道子さんと同じように、水俣病患者のみなさんたちと一緒に歩んできた医師です。

とても穏やかな原田さんが、
「水俣病は殺人事件。公害などという言葉でごまかしてはいけない」
と語っていました。
殺人を犯した犯罪者は誰か。
学者と企業関係者が実行犯でしょうが、その背後には政財界の悪者がひしめいています。
彼らは、水俣病患者とは対照的に、今もぬくぬくと贅沢三昧をしています。

原田さんは、こうも言っていました。
「化学工業を発展させるために、水俣の民は捨てられた」。
捨てたのは誰か。
国家であり、私たち国民です。
水俣の民の上に、私たちの豊かさが作り出されてきたのです。
10年ほど前に、水俣に行き、不知火湾に珊瑚が戻ってきたのを見せてもらいました。
もう亡くなってしまいましたが、漁師の杉本さんから獲ったばかりのシラスをいただきましたが、水俣産と聞いただけで、「こわい」と言う人がいるのに驚きました。
御用学者や政財界の人たちだけでなく、私たち普通の生活者も、水俣の人たちを捨ててきたのです。

原田さんはさらに言います。
「福島原発事故に対しては、水俣の教訓を生かした健康管理をしていかねばいけない」
と。
原田さんは、これが言いたかったのかもしれません。
私たちはいま、福島に対して、水俣と同じことをしているのかもしれません。
福島の人たちも、かつての水俣の人たちと同じことをしているのかもしれません。

それにしても、水俣病が殺人事件だと言い切った原田さんの思いを、きちんと受け止めている人がどれほどいるでしょうか。
政治家に、一人でもいれば、福島への対応も変わるはずです。
それほどの罪悪感を持った政治家は、私には見えません。
そして私たちも、もっと水俣の体験から学ばないといけません。
福島原発事故は私たち日本人みんなの問題です。
原田さんのメッセージを改めて考えたいと思います。

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