■現実をどう解釈するか
今回の選挙結果に関するさまざまな分析結果などが出ていますが、いつも気になることがあります。
このブログでも何回か書いていますが、どこに視座を置いて現実をみるか、そしてどう問題を設定するかで、現実の捉え方はまったく違ってきます。
マスコミも多くの識者も、今回の選挙を「自民と民主の二大政党」のフレームで捉えていましたが、前にも書いたように、それはまったくの幻想でした。
民主党は、実はすでに解体され、野田総理を代表とする現在の民主党は、3年前の民主党ではありません。
3年前の民主党のコアバリューは、小沢さんと鳩山さんのマニフェストでした。
ですから、小沢さんが離党した時に、「元祖民主党」または「本家民主党」を名乗るべきだったのです。
残った民主党党員は、民主党という「権威」に依存した烏合の衆でしかありませんでした。
私はそういう認識で、今回の選挙で民主党は全くなくなるだろうと思っていましたから、50人を超える人が当選したことに、むしろ驚きを感じました。
「第3極」という呼び方も、二大政党の枠組みで考えている発想です。
石原さんが、「第3極」ではまずいと発言しましたが、全くその通りで、「第3極」を目指す政党は、私には存在価値を感じさせません。
「第3極」もまた、現実をゆがめる言葉の一つです。
今朝の東京新聞の一面の大見出しは、「自民 民意薄い圧勝」と書かれています。
今回の自民党圧勝は、民意を受けたものではないという人が多いですが、私は民意をしっかりと受けたものだと思っています。
たしかに、現在の小選挙区制度の元では、昨今の投機経済と同じく「レバレッジ効果」があるのですが、だからと言って、自民圧勝の結果を制度のせいにするのはおかしな話です。
この風潮もまた、昨今の風潮です。
悪いのはみんな制度のせいで、関係者は悪くない。
あれだけの悲惨な結果を起こした福島原発事故でさえ、政府の事故調査委員会は、そう言いのけました。
委員に名前を連ねている有名な人たちの小賢しさを呪いたくなります。
私の友人だったら、付き合いはやめるでしょう。
また言葉が走ってしまいました。これだから小人は困ります。反省。
今回の自民圧勝は、まさに民意そのものです。
口でなんと言おうと、みんな原発に懲りていないのです。
節電もしていなければ、浪費生活もやめていない。
政治家の横暴にも懲りていない。
官僚支配にもアメリカ従属にも、反対ではないのです。
そうでなければ、投票率もこんなに低いわけはないし、原発に反対なら、少しぐらいの脅しに乗ることなく自己主張したはずです。
自民圧勝をもたらしたのは、まさに私たちの民意なのです。
そこから考え出さなければ、現実は変わりません。
小賢しい議論はやめましょう。
多くの国民が、自民党を選び、決まらない政治よりも決められる政治を選んだのです。
時間をかけることの意味を忘れてしまったのです。
カエルたちと同じです。
カエルの分際で、小賢しい言い逃れはやめましょう。
ちなみに、私が取り組んでいるコムケア活動のシンボルは、ケアップくんというカエルですが、どうも私がモデルと言う話もあります。
私も典型的なカエル人なのかもしれません。
困ったものですが。
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