■原発事故はもう終わったのでしょうか
今年も穏やかな年明けでした。
年末年始のテレビや新聞を見ていると、2年前の原発事故のことをみんなもう忘れてしまったような気がしてきます。
それほど穏やかです。
その穏やかさに、私自身は滅入っていますが、元気づけられた記事もあります。
元日の朝日新聞の「福島 私たちが伝えたいこと」です。
原発事故後の若者たちの不安を題材にした演劇「今 伝えたいこと」の公演活動をしている相馬高校の高校生たちと新しい福島を目指す「ふくしま会議」代表理事の赤坂憲雄さんの座談会、そして赤坂へのインタビュー記事です。
まだ読まれていない方がいたら、ぜひ読んでいただきたいと思います。
読まれていない人のために、2つだけ、高校生の発言を引用します。
「これから未来がどうなるかわからない。でも、誰かが犠牲にならない、そういう社会ができたらいいなと思います。専門家に任せるのではなく、国民がどんどん意見を出す、みんなでつくっていける社会が理想です」返す言葉がありません。
「私たちはいつまでも子どもじゃない。大人になったときに「意見を聞いてくれない」という子どもを出さないために、もっと学んで、他人の意見を聞ける柔軟な人に成長したいです」
彼らの演劇の中に、こんな場面が出てくるそうです。
舞台で生徒の一人が考え込む。「私はいままで原発周辺の地域は原発のおかげで潤ってきたと思うのね。リスクと引き換えにね。でも、それって、私たちの世代が決めたことじゃないよね?」ますます言葉を失います。
赤坂さんはインタビューに答えてこう発言しています。
「追い詰められているからこそ、自ら選び取るしかないという状況が生まれているのだと思います。政治には期待できない、政権交代しても棄民的な状況は変わらないと、多くの人が感じている。福島の普通の女性たちが『これって自由民権運動よね』って言い始めているんですよ」この記事だけが、私に元気を与えてくれました。
「福島は自由民権運動発祥の地の一つでした。困難な状況下で地域が何とか自治と自立を求める、21世紀型の自由民権運動がここで始まろうとしているのかもしれない」
この元気を無駄にはしたくありません。
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