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2013/03/31

■「良いことをしたら忘れ、悪いことをしたら覚えておけ」

私の好きなテレビ番組の「小さな村の物語 イタリア」の143回は、ナポリの南の山の中にある、ピアッジーネという村の話でした。
登場人物の一人は、村役場の職員のカルメーロ・ペトローネさんです。
「村の人たちのために働くのは気分がいい」と話していました。
その仕事振りも、とてもあったかさを感じるものです。
日本では地方分権とか、相変わらずのお上依存の思考が染み付いていますが、カルメーロさんの仕事振りには本来の「住民自治」の文化を感じます。
それは、日本からどんどんなくなってきているものです。

そのカルメーロさんが、大事にしている言葉があります。
お父さんから聞いたお祖父さんの言葉です。
「良いことをしたら忘れ、悪いことをしたら覚えておけ」。
この言葉は、ペトローネ家に伝わっている文化なのでしょう。

生活者の言葉には哲学者より深い含蓄があると、この番組のプロデューサーの田口さんはエッセイに書いていましたが、全く同感です。
「良いことをしたら忘れ、悪いことをしたら覚えておけ」。
実は、これは私の信条の一つでもあります。
私も、ずっとそう心していますが、これはなかなかできないことです。
良いことは繰り返してもいいですが、悪いことは繰り返してはいけません。
それに良いことをしたという意識が残っていると、人は卑しくなります。
恥ずかしいながら、いまも時に、私はその卑しさに気づくことがあります。
良いことは「した」のではなく「させてもらった」と思うようにしていますが、当の本人の言動で心が逆なでられてしまうことがあります。
要するに、「良いことをした」という卑しさがどこかに残っているわけです。
いつになっても、その卑しさから抜け出られません。

「良いこと」は、他者や自然にとってだけ「良い」のではありません。
必ずといっていいと思いますが、「良いこと」は、何よりもまず、「自分にとって良い」ことなのです。
良いことをしていると、なによりもまず、自分が一番幸せになれます。
それはよくわかっているのですが、なかなかそれに徹しられないのです。

日本ではこの数十年、なにかとても大切なことが捨てられてきたような気がしますが、私たちが捨ててきたものが、この「小さな村の物語 イタリア」の番組では、いつも気づかされます。
お薦めの番組です。

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