■節子への挽歌2031:最後に行きたいところ
節子
今日は桜冷えの寒い日でした。
春はそう簡単には来てくれないようです。
湯島の様々なサロンによく参加してくれていた菊井さんがしばらく顔を見せないなと少し気になっていましたが、先週、メールが来ました。
実は、暮れからガンで入院、年越しました。そういえば、最後に会ったのが、アウシュビッツに行ってきた後でした。
昨年目標の一つであった、ポーランドはアウシュビッツを訪ねることができたの
は良かったのですが、7月に消化器の変調があり、検査を繰り返す中で、直腸ガンに侵されていることがわかりました。
いまは放射線治療や抗がん剤の副作用が残っていて、体力回復を待っている毎日です。
いずれ、再会し、お話できる日を楽しみにしています。
その時は時間がなくて、お話をお聞きできませんでした。
なぜ菊井さんがアウシュビッツに行きたかったのかも含めて、きちんとお話を聞きたいと思っていたことを思い出しました。
思い出しながら、人は最後にどこに行きたがるだろうと思って、ある後悔をまた思い出してしまいました。
節子が最後に行きたいといっていたのは、湯河原だったのです。
元気になったら行こうと話しているうちに、節子の病状が急変し、行く機会を失してしまいました。
そのことを思いだすと、いつも胸が痛みます。
あの時は、行こうと思えば行けたのです。
無理をしてでも、連れて行くべきだったと思いますが、当時は家族みんなが節子は治ると思い込んでいたのです。
最後の家族旅行は房総の花畑でした。
この時の節子はもう歩くのも辛かったのですが、節子は楽しんでくれました。
でも本当はあの時も湯河原と箱根に行きたかったのかもしれません。
節子は箱根が大好きでしたから。
私が最後に行きたいところはどこでしょうか。
まったく思いつきません。
節子がいなくなってからは、どこにも行きたいと思わなくなったのです。
いまの私にとって、行きたいところはただ一つ。
節子のところです。
菊井さんには怒られそうですが。
菊井さんが元気に湯島に顔を出すのを心待ちしています。
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