■誰を犠牲にして経済成長するのですか
今日は午前中、自宅にいたので国会中継を時々見ていました。
相変わらずの「成長戦略」議論が続いています。
みんなどうして懲りないのか、実に不思議です。
たぶんだれもが、自分は成長の恩恵を受けると思っているのでしょう。
安倍首相は、「ともかくパイを大きくしないといけない」と30年前のような発言をしていました。
弱い人たちの、大切な小さなパイを奪ってつくったパイなど、美味しくはないでしょうに。
誰のパイを奪うのか。
パイを奪われる存在にもなりたくはありませんが、しかし、それ以上に、パイを奪う存在にはなりたくありません。
海外からのパイも、もうこれ以上、奪う経済にはしてほしくありません。
経済成長しないと社会は停滞していくという人は多いです。
たしかに「成長」は重要です。
しかし、成長の中身は、経済規模が拡大するだけではありません。
それに、今のような形での「経済成長」が社会の軸になったのは、そう古い話ではないように思います。
この50年、日本は経済は大きく成長しました。
しかし、人間の生き方という意味での社会のあり方はどうでしょうか。
果たして「成長」したといえるでしょうか。
社会のあり方としては、少なくとも、私の好みではなくなってきました。
精神的におかしくなってきている人が増え、自殺者も増え、貧しささえも増えている。
私には、私たちが、あるいは日本の社会が「成長」しているなどとはとても思えません。
誰かから、何かを奪っていることは、間違いないでしょう。
いま国会で議論している「成長戦略」は、私には、ますます社会を壊していく戦略にしか見えません。
人にとって大切な「成長」は、決して収入の額では決まりません。
にもかかわらず、なぜみんな、社会の成長を経済で考えるのでしょうか。
私のどこかが、狂っているのかもしれませんが、経済成長の意味を問い直す時期に来ているように思います。
誰かから奪う「成長」ではない「成長」を考えることはできないでしょうか。
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