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2013/04/11

■番外編:時評と挽歌をつなぐもの

昨日と今朝、時評と挽歌に同じ記事を掲載しました。
このブログは、時評編と挽歌編から構成される、いささか奇妙なブログです。
私にとっては、そのことはとても意味があるのですが、まあかなり内容の違うものが混在しています。
しかし、両者が重なることもあります。
それは「生き方」に関するものです。

時評編には「生き方の話」というカテゴリーがあります。
私は、一人称自動詞で語ることを大切にしていますので、自分の生き方を起点にして書いているつもりです。
一方、挽歌のほうは、思い切り私の生き方につながっています。
妻を偲ぶのが挽歌でしょうが、5年も続けていると、その内容はかなり変質してきています。
妻を見送ってから、生きる意味や生き方について考えることが多くなり、挽歌もまた生き方への気づきのような内容になってきています。

昨日今日と時評と挽歌に書いた記事のキーワードは「未来の他者」です。
これは大澤真幸さんの言葉ですが、まさに生き方に関わるものです。
生き方というよりも、生きている世界といってもいいでしょう。
その世界が、どのくらい「いま、ここ」という現実の生きる場を超えられるかが、大切なのだろうと思います。
みんなの世界が大きくなれば、つまらない小競り合いや対立はなくなっていきます。

たとえば、ごみの焼却場を巡って日野市と小金井市がもめています。
小金井市の生活ごみの焼却を日野市に頼んだことが問題になっています。
他の自治体のごみまでなんで引き受けるのかという話です。
しかし、日野市と小金井市が合併したらどうなるのでしょうか。

年金を巡って世代間戦争などという話もあります。
時間的にも空間的にも切り分けられると対立が発生します。
ご先祖様と子孫たちというように、自らとのつながりが確信できれば、その対立は緩和されるでしょう。

いまの時代の不幸は、地域社会の空間的な横のつながりも、家庭を軸にした時間軸での縦のつながりも、希薄になってきていることです。
希薄というよりも、むしろつながりが切られている。
つながりを切ることで、産業は拡大し、統治もしやすくなるからです。
しかし、人は個人で生きているわけではない。
横にも縦にもつながって、支えあうのが人間です。
その原点が失われてしまってきているわけです。
それが自殺を多発させ、精神障害を起こし、格差を拡大しているわけです。
もし顔の見える付き合いをしていたら、年収1億円と200万円の格差など起こりようがありません。
たとえ生じても、1億円の人は200万円の人に支援をしたくなるでしょう。
それにお互いに知り合ったら、どちらが豊かで幸せかは一概には言えなくなるでしょう。
しかし、そんなことをしていたら、経済は成長できず、オリンピックで金メダルも取れなくなる。
経済成長に価値をおかず、金メダルなどにも価値を感じない私のような人は、例外でしょうから、それではみんな喜ばないのでしょう。
だから、世界を広げるなどというのは、あんまり共感を得られないのです。

「未来の他者」は二重の意味で、私とは切り離されています。
現在ではなく、しかも到来が不確実な「未来」とどこかよそよそしい感じのする「他者」という、2つの要素が距離感を広げてしまっています。
「未来の他者」のことを考えていくと、そんなことにも気づいていきます。
そして「彼岸の他者」ということにまで思いが行きます。
「彼岸」と「未来」は、どちらが身近でしょうか。

未来を語る時評と彼岸を語る挽歌とは、こうして私のなかではつながっていうるのです。
しかし、読んでくださっている人には、そんなつながりは実感できないでしょうね。
ただ、いずれもの根底に「大きな愛」があることを感じてもらえるとうれしいです。
口汚くののしっているような時評の記事でさえ、書いているときの私には、愛が書くことへのモチベーションになっているのです。
それに、今の私には、「未来」も「他者」も、そして「彼岸」さえも、「いま。ここ」とつながっているのです。

そんなわけで、もうしばらく、このスタイルを続けようと思います。

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