■水俣のしらすは美味しいです
水俣病認定のことを書いたので、思い出して、関連記事を書きます。
いま水俣の海には、サンゴが復活しています。
それほどきれいになったわけです。
先日、水俣出身の人と会いました。
なんと水俣病に縁のある知人の友人でした。
それで水俣病の話になりました。
その人が、いまも水俣はイメージが悪いままだといいます。
しかし、もう水俣病をきちんと知っている人はいないでしょうというと、その人は、忘れられかけた時に、テレビが水俣病の悲惨な映像を報道するのです、というのです。
テレビは、時間を超えていますので、そのイメージがいまの水俣にかぶさってくるというわけです。
いまでも水俣の海産物は嫌われるというのです。
もう10年以上前ですが、水俣の杉本栄子さんの作業場を訪問し、杉本さんからシラスを分けてもらいました。
とても美味しいシラスなので、おすそ分けしたいと思いました。
ところが、水俣のシラスはちょっと恐ろしいと素直に言ってくれた人がいるのです。
いまもなお水俣の海産物は、危険だと思われているのか、驚きました。
その事態は、そう変わっていないと、その人は言うのです。
水俣の人が言うのですから、事実でしょう。
彼は、なんで10年ごとに水俣の悲惨な映像を流すのかといいます。
水俣を忘れてはいけないというのであれば、映像の流し方や編集の仕方をもっと工夫すべきです。
テレビ映像の制作者には慎重に考えてほしいことです。
悲惨な映像は視聴者の目を引きます。
しかし、大切なのは、そこからです。
悲惨さを売り物にした安直な映像づくりは止めてほしいと思います。
いまの水俣をもっと伝えることのほうがメッセージになるはずです。
それは3・11の関してもそうです。
同時に、視聴する側の私たちも、映像に振り回されるのではなく、映像の向こうにあるメッセージを読み解きたいと思います。
水俣のシラスは、とても美味しいです。
もう一度、食べたいと思いますが、なかなか手に入りません。
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