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2013/05/23

■あなたの帽子はかぶり心地がいいですか

福井県の敦賀原子力発電所について、国の原子力規制委員会は「2号機の真下を走る断層は活断層である」という専門家会議が取りまとめた評価結果を了承しました。
しかし、事業主体である日本原子力発電は、それに異を唱えています。
原子力規制委員会の判断に異を唱えるということの意味も、いろいろと示唆することは多く、その是非については私自身にわかには評価し難いですが、ひとつ言えることは、統治秩序を維持する権威の構造が揺らいでいることです。
そしてその背景には、原発を許容し、積極的に推進しようとする国家政府の意向が大きく影響していることもうかがえます。
いやもしかしたら原子力規制委員会すらも疑いたくなります。
担当委員の島崎さんと委員長の田中さんとの話し方には、大きな温度差を感じます。

まあそれはそれとして、この報道を見ていて、思い出したのが、アメリカのチャレンジャー号の悲劇です。
1986年1月、スペースシャトル「チャレンジャー号」は打ち上げから73秒後に、地上でみんなが見ている前で爆発し、7名の乗組員が犠牲になりました。
これに関してはさまざまな教訓が語られていますが、実は打ち上げ前日に技術者たちは問題を発見していたのです。
技術を提供したチオコール社の主任技師のロジャー・ボイジョリーは、打ち上げ延期を主張しました。
しかし、NASAとの新規契約を強く望んでいたメイソン副社長は、技術陣の責任者であるロバート・ルンドに、「技術者の帽子をぬいで、経営者の帽子をかぶりたまえ」と言ったのです。
そして、帽子をかぶり替えてしまったルンドの見ている前で、チャレンジャー号は爆発してしまったのです。

日本原電の経営者たちには、「経営者の帽子をぬいで、生活者の帽子をかぶりたまえ」といいたいです。
いや、彼らだけではありません。
多くの人たちに、「自分の帽子を一度見直してみたらどうでしょうか」とも言いたいです。
かぶり心地が悪かったら、自分に合った帽子を探すのがいいです。

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