■アメリカ史だけではなく現代世界史の風景が変わりました
この週末に、「オリバー・ストーンが語るアメリカ史」の第1回から第7回までを一気に見ました。
思っていた以上にはっきりと語られているので、見ていて、気持ちがすっきりしました。
これまでの認識が根底から問い直されるような気がしました。
なんとなく感じていたことに、確証も得られました。
しかし、だからと言って、気が晴れたわけではなく、逆に気が重くなって、元気がまた失われましたが。
ソ連が悪者になりすぎているという気は、どことなくしていたのですが、それでもソ連とアメリカを比べると戦争を終結に導き、戦後の平和をもたらしたのは、アメリカだという認識がずっとありました。
CIAの暗躍は、映画の世界ほどではないだろうとも思っていました。
しかし、ストーンのドキュメンタリーを見れば、現実は映画以上だったのかもしれません。
それにしてもアメリカの政府の酷さは驚くほどですが、それをこういう形で報道するジャーナリズムを存続させているアメリカの社会の健全さは、これまた驚きます。
日本の報道関係者とは大違いです。
私が一番認識を変えたのは、ソ連の役割であり、フルシチョフの勇気です。
フルシチョフに比べれば、ケネディはまだ腰がぶれています。
それに不用心でした。
それと、歴史はちょっとした偶然で大きく変わるものだとも思い知らされました。
トルーマンやフォード、ニクソンが大統領になったのは、ちょっとした事故の結果です。
もしトルーマンではなくウォレスが大統領になっていたら、世界の歴史は一変したかもしれません。
核兵器はもちろん、原発も実現していなかったかもしれません。
歴史に「もし」はないと言いますが、その道もあったと知る事はとても大切です。
歴史に「必然」はないと思えば、少しは元気になれます。
まだご覧になっていない方は、ぜひご覧になることをお勧めします。
NHKのオンデマンド放送で見られます。
また6月には最後の第8~10回が放映されるそうです。
今の世界の状況に危機感を持つ人には、ぜひお勧めの作品です。
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